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加茂伝統のあい染めの創作を15年ぶりに再開した田代さんが9日まで藍の森作品展 (2009.9.3)

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昨年、15年ぶりにあい染めの創作活動を再開した工房「藍の森」主宰の田代カチ野さん(65)=加茂市神明町=は、3日から9日まで「あとりえきっか」=同市岡ノ町1=で藍の森作品展を開き、加茂の伝統を受け継ぐ絞りやろうけつを施したあい染めの作品を展示即売している。

15年ぶりにあい染め創作を再開し、藍の森作品展を開いている田代カチ野さん

15年ぶりにあい染め創作を再開し、藍の森作品展を開いている田代カチ野さん

作品は、のれんやタペストリー、バック、綿シャツ、エプロン、ランチョンマット、ハンカチなどさまざま。加茂で制作し、染めの作業は福島県喜多方市の知人の工房で行っている。天然のあい染めは、タデ科の藍草(あいぐさ)の葉を発酵させた植物染料で染めたもの。体に優しく、日本では古くから使われている。

あい染めを生かしたさまざまな田代さんの作品
あい染めを生かしたさまざまな田代さんの作品
あい染めを生かしたさまざまな田代さんの作品

あい染めを生かしたさまざまな田代さんの作品

加茂市には昔、染物屋がたくさんあり、田代さんの家は老舗の機屋(はたや)「丸愛染色」。すでに商売をやめたが、昔は藍のかめを置いて糸を染め、かすりや加茂縞(かもじま)を織り、その後、ニット製品の生産に切り替えたという。

田代さんの夫は、17年ほど前まで藍で糸を染める仕事もしており、田代さんが絞りやろうけつで商品を作り販売。十日町の着物ショーや百貨店の催事などにも出展していたが、平成6年に夫を亡くしてからは、あい染め制作をいっさいやめ、工房も取り壊した。

昨年、知人からあい染めの作品の制作者を探していると話を受けたのがきっかけで、再び創作活動を始めた。昨年10月に白根市で開かれた作品展に参加したのに続き、今回が再開2度目の作品展だ。

田代さんは、あい染めの制作の再開に「わくわくした」と言い、福島県喜多方市にある工房まで2時間がかりの車の運転も苦にならない。「好きでなかったらできないですね」と笑う田代さん。あい染めの魅力を「自然の藍草で染めた紺色は、人間にあう色」、「何度か重ねて染めて深い紺色になる」と語り、若い人など大勢の人に見てほしいと来場を呼びかけている。

藍の森作品展は、午前10時から午後5時まで。入場無料。6日午後2時から参加費1,000円の体験教室も行う。会場は、加茂山公園駐車場前から加茂駅に向かって数百メートル先の左側で、「ショッピングセンターメリア」の裏手。