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三条市内小学校で「諸橋記念館の出前講座」、皮切りは上林小 (2009.11.27)
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三条市下田地区に生まれ、大著『大漢和辞典』などの偉業を残した名誉市民の漢学者、諸橋轍次博士(1883-1982)の偉業に子どもたちから何かを感じとってもらおうと24日、三条市立上林小学校(坂井直樹校長)で「諸橋記念館の出前講座」が開かれた。
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三条市立上林小学校で開かれた諸橋記念館の出前講座
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諸橋轍次記念館と、21、22日に開かれた第1回諸橋轍次博士記念漢詩大会の実行委員会(佐藤海山実行委員長)が主催。将来を担う子どもたちから諸橋博士の自筆のノートにふれ、漢学をはじめ学術、研究に興味をもって第2、第3の博士に育ってもらおうと初めて行われたもので、これから数年かけて市内の全小学校で行われる。
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諸橋博士の自筆ノートや『大漢和辞典』を見る児童
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皮切りの上林小では4年生以上が参加の予定だったが、インフルエンザの流行で学年閉鎖の5年生を除く4年生と6年生58人が参加。佐藤実行委員長が、ふるさとをこよなく愛した諸橋博士の人柄などを話し、博士の自筆のノート数冊や大切な人に贈られたという金ぱく付きの『大漢和辞典』を子どもたちにふれてもらい、研究のおもしろさや諸橋博士を感じてもらった。
自筆ノートのうち1冊は、B5判くらいのサイズで、明治42年ころに諸橋博士が20歳代に寄稿した論文「詩経の研究」の原稿。細いけい線のなかに鉛筆でたくさんの文字がぎっしり書かれており、欄外にはローマ字で「t.morohasi」と名前を練習し、筆で同じ漢字を何度も書いた跡があり、いたずら書きのようなものもある。
佐藤実行委員長は、「昔はコピー機がないので、本も全部書き写している」、「百年近く前のにおいがします」と説明。博物館のガラスケースの中では本物を見たことにはならないと言い、「ぜひ、さわって、においもかいでみてください」と、子どもたちから手にとってもらった。
児童は言われた通りにノートに鼻を近づけ、「昔のにおいがする〜」。ページをめくり「この漢字、読めた」、「何が書いてあるかわからない」と興味津々だった。
3年生の学習で同記念館を訪れた6年生樋口冴哉さんは、「読めないような難しい漢字もあったけどおもしろかった」、「本を丸ごと1冊写すような人が(ノートに)落書きをしていて、親近感がわいて、うれしかった」と感想を話し、本物にふれて諸橋博士をぐっと身近に感じていた。
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