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6年前の悪夢を想起させる激しい雨の中で三条市が水害対応総合防災訓練 (2010.6.28)
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三条市は27日、市内で水害対応総合防災訓練を行い、ことしも水害を教訓に策定した三条市水害対応マニュアルに基づき、あの日の悪夢を想起させる激しい雨のなかで訓練した。
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27日行われた水害対応総合防災訓練で消防職員による救助訓練
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平成16年の新潟・福島豪雨災害で、五十嵐川の堤防が決壊した7・13水害の翌年から毎年、行っている訓練。ことしも災害の発生時刻や場所、規模などは事前に知らせず、次々と発表する災害情報に即して水害対応マニュアルに沿った災害応援活動を行った。
消防を含む市職員、消防団、自治会・自主防災組織、民生委員など市民、県や三条警察署、ライフライン関係機関、介護サービス事業所などが参加したほか、市の総合防災アドバイザーに就任した片田敏孝群馬大学教授も初めてオブザーバーとして参加した。
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市長、副市長と三条市の総合防災アドバイザーのについた片田群馬大教授
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訓練のメニューは、水害対応マニュアルに基づく職員参集訓練や情報伝達などの訓練、消防団による水防訓練、消防職員による応急救護所設置訓練や救出救護訓練など。時々、6年前を連想させるような激しい雨が降ったなかの訓練。市内に国政選挙のポスターが掲示されているのも6年前と同じで、当時の記憶をよみがえらせた。
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消防団による水防工法の訓練
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住民も訓練に参加し、熟年いこいの会による炊き出し
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三条市の総合防災アドバイザーのについた片田群馬大教授
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午前5時の「笠堀ダム・刈谷田川ダムが洪水警戒体制に入る」に始まって、第1次配備(警戒体制)、第2次配備(災害警戒本部・市部設置)、避難準備情報発令(麻布団地地区)、避難勧告発令(牛野尾、濁沢など)、そして9時10分に避難勧告発令(市内全域)と対応した。
水防訓練は三条、栄、下田の3消防団がそれぞれの地域の河川敷で土のうづくりや積土のうの工法を訓練。三条消防団の訓練と消防職員の救助訓練は、五十嵐川の渡瀬橋上流右岸側で行い、傘を差していてもズボンがぬれるくらい強い雨が降り、五十嵐川は茶色い水がごーごーと流れて訓練と思えないような緊迫感にあふれた。
消防職員の救助訓練は、3台のボートを使って約70メートル離れた対岸の要救助者を救助。消防団員は白い雨具に長靴、ヘルメットでの訓練となり、7・13水害で実際に堤防からしみ出た水を防いだり、あふれる濁流に必死になって土のうを積んだ経験をしている団員も少なくなかった。
地元の大崎分団の団員は、「あの日は泊まりがけで活動し、1週間は出っぱなしだった」、「モグラが逃げ出して穴が開き、土手がぶくぶく浮いてきた。月輪工法で10カ所以上に土のうを積んだ」と今も記憶は鮮明で、6年前の悪夢が「もう二度と起こらないように」とびしょぬれになった顔をぬぐっていた。
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