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三条市・パルム1が閉館し、昭和63年のオープンから22年の歴史に静かに幕引き (2010.7.1)

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土地売却のため建物が取り壊される三条市神明町、商業施設「パルム1」が6月30日、閉館した。スーパーマーケットなど最後のテナント3件が午後6時に営業を終了し、昭和63年のオープンから22年で静かに幕を降ろした。

三条市の「パルム1」が閉館、買い物客を送る店員

三条市の「パルム1」が閉館、買い物客を送る店員

1階のスーパーマルイ、ドラッグ大手薬局、菓子処扇屋善吉のテナント3店が最後の営業を行ったこの日、閉店の午後6時前には商品は少なくがらがらになった店内で20人余りの買い物客が最後の買い物を行っていた。

同所で5年間、営業したスーパーマルイでは、「長い間ありがとうございました。5年間のご愛顧に御礼申し上げます」とアナウンスし、店員数人がレジ付近に並び、買い物客を送り出した。

閉館し正面玄関の閉鎖を見守る市民

閉館し正面玄関の閉鎖を見守る市民

なじみの客は、店員と握手しながら「どうもありがとうございました」と互いにことばをかけ、店内の店員一人ひとりに「どうもありがとうね」と声をかけていく年配の女性も。午後6時過ぎ、買い物客がすべて退店すると、パルム2側の入口前で7、8人の市民が見守るなか、ドアを閉めて営業を終了した。

閉館したパルム1

閉館したパルム1

3店ともテナントで、市内などに店舗があり、自店がなくなるわけではないこともあって、2002年9月に総業から125年で閉店した「まるよし」や先日の「大和」などとは違って感傷的な雰囲気は少なかったようで、静かな幕引きだった。

それでも、昭栄大橋を渡ってすぐの三条市北新保の40歳代の女性は、「お嫁に来て10年くらい買い物に来ていたので、寂しいですね」、「急に何か足りないときとか、自転車で来て、夜遅くまで開いていて便利だった」とドアが閉まるのを見守った。

閉店後もぽつぽつと買い物客が訪れていたが、閉まったドアの前まできて閉店を知り、引き返していた。

パルム1は、昭和63年(1988)3圧25日に昭栄地区市街地再開発事業のひとつとして、ジャスコをキーテナントとしてオープンした。平成13年1月にジャスコが撤退し全館閉鎖となったが、市や商店主、三条昭栄開発(株)などが後継テナント探しに奔走し同年10月に再開した。

パルム2からの連絡通路の入口はシャッターが閉まった

パルム2からの連絡通路の入口はシャッターが閉まった

2007年8月には賃貸借契約の問題から再び全館閉鎖が危ぶまれるなか、市民が存続のための署名活動を行ったこともあった。その後、市はパルム1を取得せず、猶予期間中にパルム1の新たな買い受け先を見つけるのに努めるとし、ことし1月、建物は取り壊して更地とし、三条昭栄開発(株)が一括取得してから土地を売却するとする方針を発表し、進めている。

スケジュールは、7月中旬に解体工事開始、12月に解体工事完了、地権者から三条昭栄開発(株)へ土地所有権移転、12月以降に三条昭栄開発(株)から新たな買い受け先に売却すると示している。さら地にしたあとの売却先や利用方法について国定市長は「しかるべきときに報告する」と、明らかにしていない。