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17日からの「木下晋が描いた小林ハル展」を前に画家、木下晋さんが三条市長を表敬 (2010.7.16)
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7月17日から三条市東公民館で開催される名誉市民小林ハル生誕110年記念「木下晋が描いた小林ハル展」を前に14日、展示作品を描いた画家、木下晋さん(63)が国定勇人三条市長を表敬訪問した。
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三条市長を表敬した木下晋さん
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木下晋(きのした・すすむ)さんは1947年、富山県富山市生まれ。画家として国際的に活躍するかたわら、東京大学、武蔵野美術大学、新潟薬科大学などで講師を歴任し、今は金沢美術工芸大学院の教授を務める。
中学2年で富山大学に特別研究生として彫刻を学び、16歳で自由美術展に史上最年少で入選、画壇デビュー。画家の麻生三郎、詩人の滝口修造などの知遇を得て、1981年渡米から帰国後、鉛筆画に転じ、直後に最後の瞽女といわれる小林ハルさんとの強烈な出会いから鉛筆によるモノトーンの表現がライフワークとなった。
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国定市長と話す木下さん
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木下さんは、小林ハル瞽女唄保存会の野嵜久次会長と2人で市役所を訪れ、国定市長と懇談。「小林ハルさんとの出会いが人生最大のターニングポイントだった」と偶然の出会いを話した。
阿賀野市・出湯の旅館を訪れ、帰る日にバスに乗り遅れてもう1泊。そこでたまたま会った小林ハルさんの公演を初めて聴き、瞽女も知らなかった木下さんは、大きな衝撃を受けた。
小林ハルさんは「モデルさんに出会ったというより、人生の教師。新潟県が、日本人が誇りに思っていい人」で、盲目なのに「話していると色を感じる」、「ぼくらがどう逆立ちをしても得られないものがあった」と魅力を話した。
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展示作業が行われている三条市東公民館を訪れた木下さん
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表敬訪問のあと、木下さんは展示作業中の会場の三条市東公民館を訪れた。作品は小林ハルさんを鉛筆画で描いたモノトーンの作品34点で、うち6点は2m×1mの畳1畳分ほどもある大作。10Bから10Hの鉛筆の濃淡を使い分けた線で描く鉛筆画だが、その線を幾重にも重ねて描く小林ハルさんの表情は生々しく、線の細さとは対照的に迫力があふれる。
今回の展示のために全国各地から借りた作品もあり、これだけの小林ハルさんを描いた作品を一堂に展示するのは、今後、ないことかもしれないと話しいた。
木下晋が描いた小林ハル展は、17日から22日まで三条市東公民館で開かれる。入場無料。開場は午前9時から午後6時まで、初日17日は午前9時半から開場式を行い、さらに午後1時半から3時まで「木下晋氏のギャラリー・トーク」を行う。
また、18日午後1時半から「越後瞽女唄・葛の葉会」瞽女唄披露、19日から22日までの午後1時半から「小林ハル瞽女唄保存会イベント」なども同時開催される。
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