三条市議会全員協議会で4億円余りと見込まれるパルム3の債権放棄の経緯を報告、市長100分の10、副市長100分の5の2カ月間の減俸処分 (2010.9.16)

三条市は16日に開かれた三条市議会全員協議会で、市が3億9,000万円を貸し付つけている昭栄地区市街地再開発ビル「パルム」の立体駐車場「パルム3」を経営していた立体駐車場整備(株)＝東京都中央区＝に対する貸付金債権を放棄し、4億円余りと見込まれる債権放棄の経緯を報告、それに伴って市長と副市長の減俸の処分を説明した。

16日開かれた三条市議会全員協議会

国定勇人市長が説明し、立体駐車場整備(株)に対する三条市の貸付金は、同社の破産処理の結果、回収不能が確実となったため債権は放棄せざるを得ず、自身と副市長が責任をとると報告し、資料をもとに話した。

近く同社の破産手続きが終わる見込みで、立体駐車場運営資金の貸付金3億9,000万円と遅延損害金1,637万9,177円の合計4億637万9,177円のうち、立体駐車場整備(株)の破産管財人から弁済または配当を受けた額を除いた額が、債権者の破産によって当該債権の回収が不能となることが確実であり、地方自治法に定める議決を求めるとした。

説明の最後に頭を下げる国定市長

また、理事者の処分として2カ月間、市長は給料月額の100部の10、吉田副市長は同100分の5をそれぞれ減じるとした。三条市長の給料月額918,000円は減額後は826,200円となる。国定市長の減俸処分はこれが初めて。

三条市への弁済または配当見込額は、パルム3の売却に伴う三条市の弁済受領額を100万円とし、破産財団からの三条市への最後配当見込額（9月1日現在）は200万円ていどの合わせて約300万円。権利放棄見込額は4億300万円ていどとした。

あわせて、パルム3の売却は7月9日に第三者を介して三条市南四日町、畠山芳和さんからパルム3を取得したいと市に連絡があり、弁護士を通じて破産管財に連絡し、裁判所の許可を得て売却された経過を説明。売却価格は民間同士の取引なので控えさせてほしいと求め、その中から三条市は100万円の弁済を得た。

買い受け先の畠山さんは、引き続き駐車場としての共用を継続すると話しており、国定市長は「この点においては大変安どしているところ」と述べた。

質疑に答える吉田副市長

3億9000万円に対して100万円を少ないと感じるかもしれないが、裁判所の許可に基づく売買で、阻むのは難しく、阻めば任意売却は成立せずに競売となり、第2抵当権者の三条市には1円の配当のないことが予想される。加えて売却先決定まで管理者不在で、駐車場として機能せずに放置されるケースも想定され、結果として当時の状況では最善の方策だったと理解を求めた。

最後に国定市長は、市民から預かる貴重な税金を「結果として約3億8,700万円の債権放棄をせざる得ない状況になったことに市民の皆様方に深くおわび申し上げますとともに、その責任を実感している。今後、あらためて気を引き締め直し、市政運営にあたっていきたい」と頭を下げた。

説明のあとの質疑では、高坂登志郎委員から債権回収についての相手との交渉のあり方に問題があったのではと質問があり、これまでの経緯のなかでの市の対応が適切でないとする考えも述べた。この権利放棄と三条市長の給料月額の特例に関する条例を制定する議案を議会最終日の28日に上程する。