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三条商工会議所創立70周年記念式典、丸井今井百貨店2代目、今井雄七氏を初代会頭に県内5番目の商議所として誕生から70年の節目を祝う (2010.10.15)
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三条商工会議所(渡辺勝利会頭)の創立70周年記念式典が14日午後5時半からハミングプラザVIP三条で開かれた。バブル崩壊に続く「失われた10年」、そしてゼロ年代、米国の同時多発テロ、雇用不安、一昨年のリーマンショック、最近の円高と依然として先行きの不透明な経済環境が続いているが、式典には約300人が出席して盛大に70年の節目を祝った。
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14日行われた三条商工会議所の創立70周年記念式典
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記念講演に続いて式典が行われ、会員は部会ごとに円卓に着いた。坂本洋司副会頭が「この感激をいつまでも歴史に結びつけてまいるようにこれからも努力をしてまいります」と開式の辞で始り、物故会員に黙祷した後、渡辺会頭が式辞を述べた。
渡辺会頭は、昭和15年6月5日に丸井今井百貨店の2代目、今井雄七氏を初代会頭に県内5番目の商工会議所として設立されてから70周年を迎え、会員事業所の支援、歴代会頭、役員、議員の尽力に謝意を表した。
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式辞を述べる渡辺勝利会頭
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創立60周年からのこの10年、「日本経済の立ち直りは鈍く、大変、残念な事態」。バブル崩壊、IT関連産業の急速な進展、経済のグローバル化に伴う国際競争の激化、リーマンショック、そして激しい円独歩高、6年半ぶりの為替介入も際立った効果が見られず、「企業の経営努力だけでは到底、太刀打ちできない、まさに産業構造の転換期とも言えるかつて経験したことのない厳しい時代の到来」という認識を示した。
平成16年は7・13水害、中越地震と苦難の年だったが、水害では「被災した地域企業の被災状況の把握やその早期再開を図るための公的資金の活用を目指した協同組合の立ちあげを全力で支援するなど、微力ながら役割を担うことができました」と自負する。
一方、三条製品の販路拡大を積極的に支援するため、国内外の各種展示会への参加、海外市場の動向調査を重点事業として企画し、国際取引に挑戦する意欲が示されるなど成果をあげた事業もある。
中心市街地の活性化では、5年前にスタートした本寺小路あかり物語は市民に定着、期待されるイベントに成長。平成16年設立の青年部も当初からこれにかかわり、地道な活動を展開したのがイベント発展の原動力になった。
リーマンショックで一段と企業活動が厳しさを増し、企業の雇用維持を目的とした助成金制度が容易に活用できるよう、平成21年度には中小企業緊急雇用安定助成金の対象となる合同教育訓練を開催し、いずれも定員を超え、深刻な事態を実感した。
現下の情勢は先行きの不透明感を払拭できず、将来に不安を抱かざるを得ない状況。この難局を乗り越えるため、「ものづくりの基盤強化のための支援を行うとともに、三条地域の歴史ある優れた金属加工技術と金属産業が集積するメリットを生かせるよう、関係機関と連携を密にし、全力を尽くしてまいりたい」と述べた。
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功労者表彰
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特別役員表彰を受ける羽二生良夫前会頭
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功労者表彰で一般役員表彰として羽二生良夫前会頭1人、役員表彰で101人と故人10人と6事業所、一般表彰で4人と3団体を表彰し、来賓の泉田裕彦知事、菊田真紀子代議士、国定勇人三条市長、敦井栄一新潟県商工会議所連合会会頭が祝辞を述べた。
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祝辞を述べる泉田裕彦県知事
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泉田知事は、通産省、経産省でキャリアを積んでいるだけに、祝辞はミニ経済講演会とも言える内容で、時間を惜しむように早口で話した。
最近の円高について「相対的とはいえ日本経済が世界のなかで最も評価されているというのも事実」で、「先はまったくないのかというと決してそんなことはない」。少子高齢化も日本より速い速度で進む中国の例があるように決して経済の「足でまといにはならない」と見る。
個人は出費、企業は投資を控えるのは、「お金にしておいた方がものに変えるよりも安全だから」で、これと同じ状況が戦前、世界恐慌後の昭和恐慌でもあり、当時の高橋是清蔵相が円の切り下げや公共事業費や軍事費の拡大で世界一はやい経済回復を成し遂げた事実をひもといた。そして三条商工会議所会員事業所に対しても「この70周年を機にですね、明るい展望にも期待をしていただきたい」と求めた。
為替介入については、中国が16兆円の介入を行ったのに対し、日本は2兆円。介入規模が小さかったために「為替というのは今、円高にふれてるに過ぎない」、「一国で介入しても効果がないって言っていた評論家の皆さんはぜひ反省していただきたい」と手厳しい。
新興国の貿易黒字が続くと日本から部品産業が出ていって日本の経済を支えるという構造になっていることを指摘。先にノーベル賞を受賞した鈴木章教授が日本を支えるには技術と知恵があればいいと言ったのを引用し、「三条地域、燕も含めてこの県央エリアがもっている技術が日本の戦後を支えてきた」。最後に「県としてはできることを精いっぱいやっていくことをお誓いする」と結んだ。
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祝辞を述べる菊田真紀子代議士
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菊田代議士は、外務政務官に就任したことを報告、感謝し、外交、貿易政策などについて話した。韓国がEUとEPAを締結、来年7月に発効し、5年以内に韓国からEUへの輸出、自動車や家電、医薬品などの関税が撤廃される。
円高、ウォン安、法人税も韓国は日本に比べて半分くらいで、「いよいよ日本は三重苦に陥るということ」で、「韓国とEUのEPAの締結だけでも年間220億円くらい日本の経済に損失があるのではないか」と言われており、「これから力強い経済をつくっていく、そして力強い外交、国力を今、再び取り返していかなければならない」とした。
「これからもたくさんのご苦労があると思いますが、初代会頭以来、ずっと続いてきた皆さま方の、この三条経済人の魂をより大きく飛躍をされますようお願いを申し上げたいと思います」と期待した。
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祝辞を述べる国定勇人市長
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国定市長は、ものづくりの町、金町の町だからこそ、三条はリーマンショックに伴う世界同時不況の荒波の直撃を受け、三条市はいちばんの強みの産業基盤を一緒になって守り抜かなければいけないと「当時、三条市の一般会計予算500億円のうち、60億円を地域経済の活性化のために使っていた、それを選択と集中によりまして500億円のうち120億円、約2倍の金額として地域経済の再活性化のために当時続けてきたわけでございます」。
まだ三条の現在の状況は「完全に霧から晴れたとは言い難い状況」で、引き続き三条商工会議所の薫陶がいちばんだが、「三条市といたしましても精いっぱい下支え、お力添えをさせていただきたい」。三条の町が発展を続けるには、三条商工会議所、会員事業所の発展が必須で、「本日の70周年というすばらしい記念の日をひとつの契機といたしまして、さらに躍進できるような三条市づくりのために、皆さま方からいっそうのご尽力、ご協力をちょうだいできればと思っているわけでございます」と述べた。
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祝辞を述べる敦井栄一新潟県商工会議所連合会会頭
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敦井県商工会議所連合会会頭は、三条はグローバル化に対応するため、優れた技術でSANJO・JAPANというブランドの確立に精力的に取り組み、ドイツ・フランクフルトで開かれるアンビエンテに毎年、出展して多くの成果をあげ、積極的に努力していることを評価した。
平成16年には青年部を立ちあげ、その年に起きた2度の未曾有の大災害では、地域を勇気づけ、見事な活動をしたと聞き、「現在も地域のために率先して行動するバイタリティーのあるメンバーが、三条に多く存在することを大変すばらしく思っております」。
地域の活性化は商工会議所だけではなく、企業や市民を巻き込み、行政との密接な連帯があって初めて実現できるもので、「三条商工会議所が地域活性化の中核として、これらの先駆的な取り組みを推進され、それが確実に実を結んでいるということで、誠にご同慶の至りであります」と述べた。
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閉式の辞を述べる宮原洋一式典事業実行委員長
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最後に宮原洋一式典事業実行委員長が閉式の辞を述べ、1時間で閉式し、記念祝賀会に移った。被表彰者は次の通り。敬称略。
■特別役員関係 |
三条商工会議所前会頭 羽二生良夫 |
■役員関係 |
相田明雄 | 相場亮嗣 | 明田川雅二 | 阿部謙一 |
飯山勝義 |
五十嵐昭一 | 五十嵐力 | 五十嵐正直 | 石川友意 |
石橋育於 |
今井道郎 | 内田力 | 内山照嘉 | 内山裕一 |
大久保秀男 |
大野新吉 | 岡田久徳 | 岡田大介 | 小越憲泰 |
小柳潤一 |
加藤敏敦 | 金子昌裕 | 金子太一郎 | 兼古耕一 |
狩野章 |
樺山仁 | 川ロ昭二 | 北沢昭治 | 木宮隆 |
熊倉昌平 |
倉橋幸弥 | 桑野敏直 | 桑原栄助 | 古寺武 |
小山喜一郎 |
近藤雄介 | 齋藤康治 | 齋藤隆 | 斎藤弘文 |
齋藤善一 |
坂井源一 | 坂井幸二 | 坂井範夫 | 坂本洋司 |
捧賢一 |
佐藤正一 | 佐藤雄二郎 | 渋谷健一 | 信賀一昭 |
杉野良介 |
鈴木金士郎 | 住谷哲雄 | 曽根忠一郎 | 高波久雄 |
高橋一夫 |
高森博 | 瀧ロ恵介 | 田辺泰三 | 外山晴一 |
外山誠一 |
外山雅也 | 中條和男 | 中條耕二 | 中山真 |
梨木建夫 |
西巻克郎 | 韮澤喜一郎 | 韮沢隆行 | 布川節夫 |
野上渉 |
野崎正明 | 野崎勝康 | 野水文治 | 長谷川晴生 |
長谷川有美 |
長谷川幸衛 | 馬場茂夫 | 馬場信彦 | 林佳松 |
福田健男 |
藤井恒明 | 藤田實 | 布施重雄 | 古澤富雄 |
星野健司 |
本田哲也 | 本田豊治 | 本間晃 | 松井恒雄 |
松谷昊吉 |
松縄弘 | 丸山俊雄 | 箕輪勲男 | 宮原松雄 |
元川由郎 |
柳取崇之 | 山上茂夫 | 渡辺一郎 | 渡蓬喜久雄 |
渡辺幸治 |
渡辺喜彦 |
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[故人] |
相場栄一 |
加藤政次郎 |
金子誠 |
小山繊郎 |
下村栄蔵 |
田中正佐久 |
外山一郎 |
外山五郎 |
長沼重三 |
山本福七 |
[事業所] |
(株)日本政策金融庫三条支店 |
(株)第四銀行三条支店 |
東北電力(株)新潟県央営業所 |
新潟県信用保証協会県央支店 |
日本通運(株)三条支店 |
北陸ガス(株)長岡支社三条事務所 |
【一般関係】 |
浅野昌資 |
関東信越税理士会三条支部 |
片桐敏榮 |
市橋俊一郎 |
近藤彰 |
日本貿易振興機構新潟貿易情報センター |
新潟県立三条商業高等学校 |
関連リンク
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