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23日朝、三条市下田地区に小グマ2頭出没、栗山地内の向かってきた1頭は射殺、庭月地内の1頭は追い払うことに成功 (2010.10.23)
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23日朝、三条市下田地区の栗山地内で小グマ1頭が猟友会会員に向かってきたため射殺。それから間もなくして今度は庭月地内で木に登る小グマが見つかり、爆竹で追い払ったが、にわかに住民との接点が深まり、小グマは防衛本能が強い母グマと行動をともにしていると思われるだけに、人に危害を加える可能性がぐっと高まっている。
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三条市栗山地内に現れて射殺された小グマ
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午前7時半ころ、かもしか病院からさらに山を奥へ深く入った栗山地内で、小グマが出没しているのを地元住民が発見し、猟友会員に連絡した。猟友会で付近を巡回したところ、畑にいる小グマがいるのを確認し、追い払おうとしたが逆に小グマが向かってきたため、緊急避難対応のためやむを得ず射殺した。
小グマは体長75センチ、体重16キロの2歳のオス。人家まで100メートルの距離だった。
それから1時間足らず後に、今度は庭月地内で別の小グマが見つかった。住民から民家のカキの木にクマが上っていると猟友会に連絡があり、猟友会と三条署、三条市の農林課と環境課が出動する騒ぎとなった。
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射殺された小グマ射殺された小グマが出没した現場の三条市栗山付近
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現場は庭月公会堂付近で、国道289号を山へ向かって左手、五十嵐川のある方向。国道289号をはさんでちょうど諸橋轍次記念館の反対側になる。
現場を確認すると、カキではなくスギの木に体長50センチていどの小グマが上っていた。小グマなので追い払うことにし、爆竹を2回鳴らすとようやく小グマは五十嵐川の方向へ逃げ出した。
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木登りしている小グマを追い払った現場付近の庭月公会堂
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小グマは母グマと行動するので、付近には母グマがいるのは確実だ。母グマは子どもを守ろうとする防衛本能が強く、攻撃性が高いため、クマの習性をよく知る猟友会でも腰が引けるという。
しかも射殺した小グマの母グマは、子どもがいなくなって気が立ち、凶暴性を増していると思われる。また、出没した時間帯も目につきにくい日の出ころではなく、人が活動を始めている時間帯と重なり、冬眠期が迫って食糧の確保に焦っているとも思われる。
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23日の小グマ出没で作成、地元に配布したちらし
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また、この日、下田地区で行われた「さんじょう下田産サツマイモ収穫体験バスツアー」は、棚鱗地内でサツマイモ堀りをたっぷり体験してもらうていどだったが、小さなイモを拾うていどに規模を縮小。社会的影響もじんわりと広がっている。
この秋のクマの異常出没に、三条市などではこれまで一通りの対策を行ってクマに対する注意喚起を尽くしているが、この日はあらためてパトロールを強化する一方、この2件それぞれの出没情報を記したちらしを作成し、自治会を通じて地元住民に配布。なるべく畑仕事や外出を避け、外へ出るときは鈴など音の出るものを身に付けること、朝夕のクマが活発に活動する時間を避けることなどを呼びかけている。
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