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三条市下田地区でクルミ拾い中の男性がクマに襲われるもけがはなく、胴付長靴が破れただけ (2010.10.24)
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24日朝、三条市下田地区でクルミを拾っている男性がクマに襲われたが、幸い着衣が破れたていどで、けがはなかった。
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クルミ拾い中にクマに襲われた石月さん
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クマに襲われたは、三条市滝谷、無職石月勝さん(65)。石月さんの家は下田地区へ向かって清流大橋を渡ったらすぐ左折し、五十嵐川左岸堤防道路の旧国道298号、今の県道三条下田線を2.5キロ近く進んだところの土手下にある。
石月さんは午前6時半ころ、クルミを拾うために五十嵐川をはさんで家の真向かい、対岸の島潟地内の林に入った。石月さんは五十嵐川漁業協同組合の組合員でちょうどこの日、下流の渡瀬橋たもとで開かれた同漁協の鮭まつりを手伝うため、遡上するサケの下見も兼ねて、川に入ってサカナを捕るときなどに使う胸まである胴付長靴を着て、歩いて五十嵐川を渡った。
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クマに裂かれた胴付長靴
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対岸には、木々が少なくてちょうどトンネルが空いたように見える部分があり、そこから上陸。そのすぐ右上にクルミの木があり、クルミを拾い始めて10分とたたないうちにクマと遭遇した。
クマも石月さんが上がってきたのと同じ方向から姿を現し、石月さんがあっと思って体を回すと、体の左の方をすり抜けてそのまま一目散に上って行った。そのときに石月さんの左足のひざあたりの胴付長靴をつめで引っかけたようで、胴付長靴は1辺が2センチほどの「く」の字形に裂けた。
石月さんが自分の目でクマを見たのは、これで3回目。こんな近くで見たのはもちろん初めてで、「ほんの一瞬ですよ。5メートルか6メートル先かぐらい先から、ざーっと来たような感じで」、「向こうがびっくしたんねーかと」。
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石月さんが五十嵐川から林へ入った場所とクルミの木
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10日くらい前から対岸へ渡っていて、ふんも何回か見ている。この日の朝も新しいふんを見ており、クマが出るのではと警戒していただけに、真っ黒い塊のよう動物がすぐにクマとわかり、「もうダメかと思った」とその瞬間、覚悟も決めたと言う。
幸い、大事には至らなかったので、近所の人もクマが自分のクルミを横取りされると思って脅かしに来たのではと笑い話にしているが、下田地区のクマ出没の危険性は日を追って深刻さを増すばかりだ。
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クマが破壊したおりの鉄の棒
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21日午前6時には、このすぐ近くの高岡地内でもクルミの木の根元にあるハチの巣のハチミツをねらっているクマが目撃されており、石月さんを襲ったクマも同じクマの可能性が高い。
また、24日は午前5時50分に下飯田地内に設置した箱わなで体長133センチ、体高73センチ、体重120キロのオスのクマが捕獲され、猟友会が射殺した。クマはおりから逃げようと、箱わなの鉄棒をかんだり、足でひきちぎろうとしたようで、口の周りや足のつめ、おりのあちこに血がこびりつき、縦の丸い鉄棒の1カ所はちぎれていて、クマの破壊力のすごさを象徴していた。
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