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人間国宝、燕市名誉市民となった玉川宣夫さんの祝賀会に120人が出席してその功績と偉業をたたえる (2010.11.19)
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とくに「木目金(もくめがね)」と呼ばれる技術で世界第一人者として知られる金工家、玉川宣夫さん(68)=燕市花見=がこの秋、「鍛金」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、燕市から名誉市民の称号が与えられたことを記念して19日、燕三条ワシントンホテルで祝賀会が開かれ、約120人が出席してまさに燕市の宝となった玉川さんの功績をたたえ、いっそうの活躍を願った。
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19日開かれた金工家、玉川宣夫さんの重要無形文化財保持者(人間国宝)認定、燕市の名誉市民の称号授与を記念した祝賀会
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鈴木力燕市長、山崎悦次燕商工会議所会頭、大山治郎燕市文化協会会長、玉川基行玉川堂代表取締役を発起人に開かれた。出席者に燕市、それも燕地区の産業界の人が中心。玉川さんはスーツ、妻恵子さん(62)は和服で胸に紅白のリボンをつけて入場した。
発起人代表のあいさつで鈴木市長は、飛燕夏まつりの数日前に玉川さんが人間国宝との知らせを受け、まつり当日のあいさつで理解が得られれば玉川名誉市民の称号を贈りたいとつい口を滑らせて発表してしまったが、大拍手でまつりも大いに盛り上がったエピソードを紹介した。
「これからもいろんな制作活動に精力的に取り組んでいただき、そして後継者を育成し、子どもたちに夢と希望を与える、そんな活躍をですね、もっともっとしていただきたい」と期待した。
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緊張してステージで席を並べる玉川さん夫妻
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祝辞で県知事代理の県産業観光労働部・高井盛雄部長は、以前に玉川さんと会たっときに郷里が自身と同じと聞き、「大先輩ということがございまして、いたく感激したことを記憶しております」と話し、知事祝辞を代読した。
鷲尾英一郎衆院議員、長津光三郎県議、桜井甚一県議、大岩勉市議会議長の祝辞のあと友人から玉川夫妻へ花束と記念品を手渡した。記念品は玉川さんのリクエストで腕時計、ペアウオッチを出席者から贈った。
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友人から花束と記念品を受け取る
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認定式に出席、皇居で天皇陛下にごあいさつしたときには三八豪雪の話になって仕事の話をお聞きにならなかったことを話し、「わたし自身は至らない人間ですけれども、こういう称号をいただきましたんで、ぜひ燕市の皆さんもですね、なんかの話の折に、こういう人間も燕にいるんだと言って、商談のひとつもまとまれば、このうえないわたしの幸せでございます」と自身が手助けになることを願い、出席者に感謝した。
山崎燕商工会議所会頭は、玉川さんに「健康で長生きされまして、後世のために技術を伝承していただきたい、若い人に指導していただきたいと産業界からもお願いしたい」と求める一方、人間国宝の玉川さんをアピールしながら全国に広めていきたいと話した。
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約120人が出席した祝賀会会場
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大山治郎燕市文化協会会長は、洋食器の出始めに鎚起銅器の技術で洋食器を納めたことを、人間国宝の偉大さを具体的に話し、玉川さんが極めた「木目金」と呼ぶ技術の良さが、「全国に伝えられる」、そして「金属加工の町、この燕市にとって大きな誇りである」と話し、乾杯の発声をした。
仕事場では人をを寄せ付けないほどの厳しさをもつ玉川さん。すでに紫綬褒章や伝統文化ホ?ーラ賞「優秀賞」など数々の賞や評価を受けているが、かしこまった場所は相変わらず苦手。ステージに恵子さんと並んで座って落ち着かないようすだった。
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ステージに飾った左から燕市が購入した玉川さん作の木目金の花瓶、重要無形文化財保持者の認定書、燕市の名誉市民称号記
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乾杯がすむとほっと一息。穏やかな笑顔に戻り、次々とあいさつ、祝福に訪れる人と和やかに話していた。
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