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燕三条地場産センターで新分野進出を目指して開発した小型風力発電装置の試作品の除幕式 (2010.11.25)
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昨年11月から燕三条の技術と産官学の連携で開発が進められた小型風力発電装置の試作品が完成した。燕三条地場産業振興センターは25日午前11時40分から同センター駐車場で、同装置の設置に伴う除幕式を行った。
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25日、燕三条地場産業振興センターで行われた小型風力発電装置の除幕式
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開発関係者など約40人が出席。同センター理事長の国定勇人三条市長があいさつし、国定三条市長と副理事長の鈴木力燕市長、斉藤弘文三条商工会議所会頭、山崎悦次燕商工会議所会頭の4人が紅白のひもを引いて装置にかけられた白布を除幕した。
小型風力発電装置の開発は、昨年11月から三条市の委託事業として取り組む「次世代産業創造プロジェクト」事業。燕三条地域の金属加工技術を核として、下請け的から自立発展型の産業構造への転換のために、新分野進出を目指している。
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ソーラーパネルとのハイブリッドで最大200ワットを出力する小型風力発電装置
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「ジャイロミル型」と呼ぶ垂直翼形の水平に回転する小型風力発電装置で、ソーラーパネルも備えた風力発電と太陽光発電を組み合わせるハイブリッド式。風を受ける羽根の断面は、飛行機の主翼のような形で、マグネシウム、アルミニウム、チタンの3種類の素材で計3基を製作した。
管理法人を燕三条地場産業振興センターとし、製作には地元の3社が取りまとめ企業となって三条市を中心とした燕三条地域の10数社が参加。安全・機能評価などを長岡技術科学大学と長岡工業高等専門学校が、技術フォローなどを新潟県工業技術総合研究所が行っている。
羽根の素材ごとの取りまとめ企業は、マグネシウムがシマト工業(株)、アルミニウムが(株)野島製作所、チタンが(株)野崎プレスの3社。同センター敷地内にマグネシウムとアルミニウムの2基、いい湯らてい敷地内にチタンの羽根の装置1基を設置し、デザインはマグネシウムとアルミニウムが同一で、いい湯らていに設置したチタンは「ヒメサユリ」がモチーフ。
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羽根の断面は飛行機の主翼と同じ形状
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同センター敷地に設置した2基は、高さ約5メートルで、鉄製の柱の最上部につく3枚の羽根が回転する仕組み。羽根は風速1メートルで回転を始め、4メートルで発電を始める。発電した電気で一体になったLEDライト4灯をともす。ライトは、タイマー式で午後5時から10時まで点灯する。
最大出力は200ワット。発電していないときでもバッテリーに蓄えた電気でLEDをともす。バッテリーは車などにも使われている12ボルトのものだが、100ボルトの交流に変換するコンバーターを備え、一般的な家電製品をコンセントに挿して使うことができる。この日の除幕式の拡声装置は、このコンセントから電源をとって行った。
同装置は、今後2年間かけて機能評価や改善などを行い、最終的には発売を目指す。同事業の総事業費は約4,000万円。
除幕式では、同事業に関係する23人が参列。同センター理事長の国定勇人三条市長があいさつし、この開発は産官学の取り組みをさらに高見にステップアップするためのスタートと述べ、「しなやかでタフで世界に誇れる燕三条の技術を高めていく」と期待した。
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