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人間国宝で燕市名誉市民の玉川宣夫さんが技術の粋を凝縮した接合せ花瓶を燕市に寄贈 (2010.12.28)
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この秋に人間国宝、燕市名誉市民となった金工家、玉川宣夫さん(68)=燕市花見=が28日、燕市に平成7年に制作した接合せ(はぎあわせ)花瓶を寄贈した。
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玉川宣夫さんが燕市に寄贈した平成7年制作の接合せ花瓶
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玉川さんが師事した人間国宝、鍛金家の関谷四郎さん(1907-94)に学んだ接合せの技法で制作した作品。関谷さんをしのんで亡くなってから1年間、接合せばかりに取り組んだ当時の作品で、高さ、直径とも約23センチ。球を縦方向に細く輪切りにしたような形にした黒く見える銅と、赤茶色に見える赤銅(しゃくどう)を接合せた。
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市役所を訪れた玉川さん夫婦
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境界に銀蝋(ぎんろう)を接着剤に使い、それを意図的に見せる。そのうえで横にスライスしたような形で環状にしたものを接合せ、その表面を玉川さんが極めた技術、木目金(もくめがね)が文様を描くという、気の遠くなるほどの技術の粋を凝縮した作品で、時価300万円。
燕市は、玉川さんが人間国宝に認定され、名誉市民に称号を贈ったのを記念して、玉川さんの作品を購入した。玉川さんはそのことに対する礼や、自身を育ててくれた地域の人たちへのお返しになればと、寄付した。
玉川さんは妻恵子さんと2人で午前11時半に市役所を訪れ、桐箱に納めた接合せ花瓶を届け、鈴木力市長に披露した。
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鈴木市長の前で接合せ花瓶を披露する玉川さん
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鈴木市長は、先に燕市産業史料館で開かれた「玉川宣夫金工展」が平成14年の同史料館リニューアルオープン以来、最多の1,877人の入館があったことを喜ぶと、玉川さんは「史料館は入館者だけじゃないから。内容だから」と謙そん。
また、作品は飾るだけではなく、使うことによって色や風合いが変化して味わいを増し、玉川さんは「あるていどの年数を耐えられるものでないと我々は工芸品とは言わない」というこだわりも。鈴木市長は「そのうちまた企画展を」と期待していた。
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