11日午後2時46分ころに三陸沖で発生、最大震度7を観測した東北地方太平洋沖地震で三条市や燕市、加茂市でも震度4の強い揺れを観測した。
推定マグニチュードは観測史上最大の8.8。その後も短い間隔で余震が続き、午後3時15分ころに発生した茨城県沖を震源とした地震でも茨城県で震度6弱、三条市、燕市、加茂市では震度3を観測した。
この地震で三条市は午後2時50分に一次配備の警戒体制をしく一方、市の施設などの被害の調査を行ったが、午後6時までに目立った被害はなく、市内で被害が発生したという連絡も届いていない。
三条市消防本部には、県から緊急消防援助隊出動の照会があり、同本部は3隊が出動させることにした。また、先に総務省消防庁から大規模災害時用の支援車が配備されたばかりで、同本部は夕方、被災地に向けて支援者を出発させた。
燕市は午後2時50分、災害対策基本法に基づかない燕市災害経過本部を設置。間もなく市の施設などの調査を行った。吉田老人福祉センター外壁が損傷、小池中学校で校舎と体育館のつなぎ目の小さなひびが広がり、燕北中学校で体育館と渡り廊下の間の壁のペンキがはがれ落ちたりしたが、いずれも軽微な被害だった。
ホワイトボードに地震関連情報を書き出して対応する燕市役所
燕市が東京都町田市に開設しているアンテナショップ町田店では商品が落ちるなどした。また、地震に驚いた燕市二階堂に住む75歳の女性が午後3時半ころに家を出たまま行方不明になっていたが、午後6時前に自主帰宅して無事だった。5時前から部課長会議を緊急招集して被害状況などを報告、今後の対応や対策を協議した。
地震の影響でJR東日本は新幹線の運転を見合わせ、東北エリアと首都圏のすべての列車を終日、運転見合わせとした。上越新幹線は夕方になって終日の運転見合わせとした。
地震から1時間余りたったJR燕三条駅では、新幹線の運転見合わせで足止めされた利用者が駅構内で運転再開を待つ一方、窓口には運転再開をあきらめて切符の払い戻しを受ける人が列をつくっていた。
休憩ができる駅構内の燕三条Wingは、店内の商品が倒れたり、棚から落ちたりすることはなかったが、地震から時間がたつにつれて人が増えた。地震の状況を伝える大型テレビの前に数十人が集まって不安そうに画面を見詰めていた。
あちこちで携帯電話で電話しようとしたり、インターネットにつないで情報を集めたり。携帯電話はさっぱりつながらず、固定電話ならつながりやすのではないかと駅前の公衆電話には順番待ちの列ができていた。