宮城県石巻市で活動した三条市消防本部の第1次派遣隊7人が帰着、市長に活動を報告 (2011.3.16)

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緊急消防援助隊新潟県隊として宮城県石巻市で活動していた三条市消防本部の第1次派遣隊7人が15日、第2次派遣隊と現地で交代し、三条市に戻った。

左から外山救急隊長、渡辺次長、国定市長
左から外山救急隊長、渡辺次長、国定市長

前日14日午後9時ころに新潟県隊の第1次派遣隊がそろって現地を出発し、磐越道上川パーキングエリアで解散。同本部の部隊7人は翌15日午前6時に同本部に到着し解散した。

同本部第1次派遣隊の隊長渡辺健示次長と外山高志救急隊長の2人が午後1時半ころ、市役所を訪れ、国定勇人市長に活動の報告などを行った。国定市長は「本当に、よく無事で戻ってきましたね。さすがに心配しました」と迎え、激務の労をねぎらった。

同部隊は、救急部隊と支援部隊の計2部隊7人。県の要請を受けて11日午後5時に同本部を出発、新潟県隊は翌12日から宮城県石巻市で活動を開始した。

同救急部隊は、自衛隊がヘリコプターで救出した自宅にいて取り残された人などのなかの病人やけが人を病院に運ぶのが主で、比較的軽傷な人が多かったという。

それでも、震度4を最高に余震は続き、一日中、無線の音が飛び交うなかで、昼夜を問わない救急搬送の要請への対応だった。また、支援部隊は、県隊のなかの部隊にエアーテントを貸し出したり、食料を提供したりした。

宮城県・石巻市総合運動公園に集結した緊急消防援助隊新潟県隊
宮城県・石巻市総合運動公園に集結した緊急消防援助隊新潟県隊

県隊は、三条燕総合グラウンドの2倍以上の広さという石巻市総合運動公園を拠点に活動。近くの小川にがれきがあったり、搬送先の病院前の田んぼに水が残っていたりという津波のあともあった。

テレビに写るような直接的で大規模な被災地での活動は、同部隊ではなかったが、同拠点から海までは木造の建物はなく、がれきの山だった。ほかの隊の話では、救助に向かう道中には遺体があったことなども聞いたという。

また、住民の避難所とも離れており、被災者との接点は少なかったが、ときどき避難所から訪れた人が、「ガソリンや食料がなくなったが、どこに行けばもらえるのか」、「安否がわからない人がいるが、どこにいったらいいのか」と聞いてくる人もいたという。

同所付近の電気、ガス、水道などライフラインはすべてストップ。朝晩の寒さはきつく、強い風も吹いて、エアーテントが飛ばされた部隊もあった。さらに、固定電話はもとより、携帯電話もつながらなかったことから、三条市の本部との連絡もとれなかったが、加茂消防の救急車に備え付けの衛星電話が使用できることがわかり、その電話を借りたのが唯一の通信手段だったという。

現場では津波のあとの水が残っていたり、がれきが路をふさいだりして、救助はヘリコプターやウエットスーツを着用するなどの制限もあったようだ。

今回は最前線での救助活動は担わなかったこともあり、「歯がゆい思い。もっと前線に行って救助できれば」と渡辺次長。さらに、印象としては、被災者の救援や支援がたりないと言い、町全体が壊滅状態で、学校などの建物も3、4階まで水につかっていることから避難所として使えず、仮設住宅などの早期の建設が必要ではとも話していた。


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