アウトドア総合メーカーのスノーピーク(山井太社長・本社三条市三貫地)は12日から「東北地方太平洋沖地震に伴う災害援助物資提供のお願い」を掲載してシュラフなどの提供を呼びかけたところ、予想をはるかに上回る物資が寄せられ、現在は一時、受け付けを中断。多くの善意に感謝している。
使わなくなったり、物置きや押入れの隅で眠っているテントやシュラフ、マットなどを援助物資として、実際に使用できるものに限るとして提供を求めたもの。地震発生翌日の12日夜に自社ホームページに掲載したところ、翌日13日には、長野県の人や水害で被害を受けたという三条市内の人をはじめ県内から直接同社に持参した人もいた。
運送業者から荷物が届いた初日の週明け14日には全国各地から200以上のシュラフやテントが到着。翌日からも次々と届き、すでに三条市の倉庫が満杯でほかの倉庫で受け入れており、同社スタッフ総出で仕分け作業をしても追いつかない状態で、一時、受付を中断した。
また、援助物資とともに送付シートにある「被災者の方への応援メッセージ」欄に被災者を励ますひとことの記入をと呼びかけたところ、「がんばってください」などのたくさんのメッセージが添えられていた。
同社は平成16年の中越地震から、同様の支援を行っており、その後の中越沖地震でも同様の活動している。ただ、今回の災害では規模の大きさもあるが、ツイッターやフェイスブックの普及からものすごいスピード感があると感じたと言う。
同社では、避難所で薄い毛布や新聞紙を敷いて休んでいる人たちの映像を見ると、マットやシュラフなどはいち早く届けたいという思いでいる。提供を受けた善意の物資は、被災地のボランティアセンターと協力して直接、運び、可能な限りテントの設営まで手伝うことにしている。
今回、呼びかけに応えてくれた多くの人たちに心から感謝している。さらに、一時、受入は中断するが、同じ思いでいてくれる人たちの多くのあたたかい気持ちにも感謝していると同社では話しており、今後、状況をみながら必要な物を見極めて、再度、呼びかけることにしている。