地震に伴う避難所を4カ所開設している三条市には、18日正午現在で福島県南相馬市の団体や個人など計約600人を受け入れている。
三条市内の避難所の内訳は、総合福祉センター231人、勤労青少年ホーム「ソレイユ三条」151人、体育文化センター135人、農業体験交流センター「サンファーム三条」75人の計592人。
そのうち、福島県南相馬市からの団体避難者は計約480人。16日に総合福祉センターで受け入れた避難所「ゆめはっと」からの約230人と、17日に体育文化センターとソレイユ三条に分かれて受け入れた約250人は、同行した南相馬市職員によると、市立石神中学校に避難していた人たちで、南相馬市の小高区、原町区の住民と双葉郡の住民のようだ。
三条市は、17日午後に大型バス6台に分乗して到着した避難者には、まずは疲れをいやしてもらおうと避難所に入る前に、下田地区の日帰り温泉施設、八木ヶ鼻温泉「いい湯らてい」で入浴してもらった。
避難所の1つの三条市体育文化センターには、午後6時過ぎにバス3台で到着。市展なども行う同施設3階を避難所として、床の上にござを敷き、1人1組の敷き布団と掛け布団や毛布を用意した。
バスを降りた人たちは、前日の総合福祉センターと同様に年配の人も多いが、小学生などの子どもの姿も目だった。年配の人のなかには部屋に入るとすぐに布団の上に横になる人もいたが、現在地や周辺の地図を見ながら、「携帯電話が壊れたのでショップはありますか?」、「薬局はありますか?」と探す人も。数日ぶりに入浴して少しは落ち着けたのか、地図の脇に張られた同センター並びの衣料品店のちらしを見ながら、「衣類の買える店は近いんですか?」、「コインランドリーは近くにありますか?」と聞いていた。
同センターの住所や電話番号を確認し、「東京にいる子どもに連絡したいので、公衆電話はどこですか」と職員にたずねる年配の女性がいたり、複数の人が「携帯電話の充電はできますか」と聞いていた。携帯電話を手にした男性は「おう、生きてっか!、どこにいた?、みんな生きてるか」と安否を確認していた人もいた。
また、小学生の子どもを連れたお母さんによると、南相馬市では雪が多く降らないこともあり、「いい湯らてい」付近の雪の多さに驚いたと言う。道中のバスの中では、行き先もわからなかったので「どこに連れて行かれるのかな、ここで降ろされたら、どうしようと思いました」と笑顔で話し、温泉はさっぱりできてよかったと喜んでいた。
【三条市内の避難所】