昭和36年3月19日の創立から50周年を迎えた三条エコノミークラブ(野崎喜嗣会長・会員89人)は19日、三条市・ハミングプラザビップ三条で創立50周年記念式典を行い、約200人が参加して半世紀に及ぶ同クラブの大きな節目を祝った。
東日本大震災で式典の延期も考えたが、総合的に判断して開催。被災地の状況を考えて内容を変更し、華やかなアトラクション的イベントは控えた。会場受け付に義援金募金箱を設置し、会員や来場者が寄せた善意と宙に浮いたアトラクション費用を合わせ、式典で来賓の国定勇人三条市長に託した。
式典には、会員や顧問、OB、来賓など195人が出席。開会前に黙とうし、物故会員と震災の犠牲者のめい福を祈った。46代会長の野崎会長があいさつし、式典の開催については、内部で議論を重ね、自身も悩み、葛藤(かっとう)し、開催が同会や被災者のためになるかと問いかけたと話した。
その結果、「我々が今やるべきことは自粛ムードのなか家にとどまり、被災地の復興を心の中で願うことではなく、歩みを止めず、行動し続け、その中で今できること、やるべきことを考え実行することが、被災地のため、三条エコノミークラブのためになる最善の道ではないかという思いになった」。
経営経済を学ぶ会だからこそ、消費によって経済活動を循環させていくのが与えられた使命で、間違いや失敗があっても、「自分たちの視点で物を見、考え、行動していく。このことこそが三条エコノミークラブの本質であり真の価値」と信じ、「今回の式典を契機に、次の60年、70年、100年を目指して着実に歩んでいく所存」と述べ、引き続き支援と協力を求めた。
来賓祝辞で国定市長は、野崎会長のあいさつに自身の不明を恥じる立場で話すと前置きし、野崎会長から式典実施の相談を受けたときに延期するべきと答えたが、「ただ、今、私はそのアドバイスは間違っていたと確信している」と述べた。
比較にはならないがとしながら、21日に開催予定だった三条市成人式を延期したのは、新成人が三条市にいるとは限らず、被災地にいたり、交通が遮断されたりで出席がかなわない人もあり、「この時期に成人式を行うのは望ましい姿ではないとの判断は、今でも間違っているとは思っていません」とした。
一方で「50周年記念式典挙行するとき、過度な自粛ムードは避けるべきではないかというのが、最終的な大きな判断要素だったと聞き、目からうろこの思い」で、「わたしたちが被災地でないからこそ、応援ができる。応援できるからこそ、過度な自粛ムードを避け、日常生活をしっかりと進めていくことが、被災地、また三条市に避難していらっしゃる方々への応援にもつながると確信を抱き、間違っていない正しい道だったろうと思っています」と話した。
さらに、野崎会長から相談があったあと、基本的には防災服を着るのをやめたことなども話した。続いて、来賓の下村喜作市議会議長、斉藤弘文三条商工会議所会頭の祝辞、功労者表彰を行い、野崎会長が義援金の目録を国定市長に手渡し、閉式。記念撮影、祝賀会へと移った。