三条市内4カ所の避難所では23日正午で605人が避難。最初の避難所開設から1週間が経過するなか、避難所ごとにさまざまな工夫やボランティア活動が行われている。
福島県南相馬市から避難している人が中心で、23日正午現在で避難所別の受け入れの内訳は、福祉センター221人、体育文化センター161人、ソレイユ三条147人、サンファーム三条76人。16日夜に初めて受け入れてから1週間がたつ。
21日に三条市被災者総合支援センターが市民に呼びかけた「三条市に避難してきた人が必要としている物資の募集」で寄せられた物資は、各避難所で必要な人に配分されたり、自転車や洗濯機などは共同で使用されている。
地震発生直後から避難していた人も多く、三条市の避難所に来てまもなく「コインランドリーは近くにありますか」と訪ねる人も多く、下着類とあわせて洗濯機も待っていた物資だったようだ。
サンファーム三条では、21日に3台の洗濯機が寄せられた。避難者の中に設置できる人がいたことから、屋根付きの屋外にすぐに設置して使用を開始。翌22日にも順番に洗濯をして、穏やかな春の陽気のなか、たくさんの洗濯物が風に揺れていた。
それぞれの避難所では、開設直後から事業者による携帯電話の充電器や無料の固定電話の設置などが行われた。市はパソコンコーナーも用意。匿名で贈られた生花が各避難所におかれ、ボランティアが新聞紙のエコバックづくりや折り紙などを持参してミニ教室を開いたり、バルーンアートで子どもたちを楽しませたり。
子どもたちに文具を提供し、勉強を教える塾講師や学生、避難者による太極拳教室が行われている避難所もある。若い男性のボランティアに子どもたちが「マリオさん」というニックネームをつけた。ボランティアとのコミュニケーションも進んでいる。
地震発生から間もなく2週間。同行した南相馬市職員に「いつ、帰れるのか」と聞く年配の人もいる。原子力発電所事故を扱うニュースやテレビ番組では、多くの人がテレビの前に集まって静かに見ている。
津波や地震で被害を受けなかったが、原発事故のために避難した男性は、3月に小学校1年生になる6歳の男の子など家族で避難した。ランドセルは震災前に買ってあったが、家に置いたまま。農業を営むが、原発事故が収束して家に戻れたとしても、「土地がどうなるのか」と不安を隠せない。
4月から始まる新学期での子どもたちの対応も含めて三条市被災者総合支援センターでは、2回目の物資の募集も検討している。前回は受け付けを開始してすぐに充足、受け付けを中止した前回の反省を踏まえ、募集の方法も含めて検討している。