三重県の菰野町(こものちょう)と津市が22日から25日まで、東日本大震災で避難所を開設した三条市にそれぞれ職員を派遣し、研修を兼ねて避難所の運営を応援した。
菰野町は22日午前、石原正敬町長(39)と3人の職員が来条。翌23日からは職員3人が三条市総合福祉センターの避難所や同センター内に設置されている三条市被災者総合支援センターで活動。津市の職員5人が22日夕方に到着し、翌日から体育文化センターの避難所でそれぞれ大崎山グリーンスポーツセンターを宿舎に活動した。
2市町とも、被災地に救援や復興で消防や水道関係の派遣も行っているようで、被災地ではない三条市が隣県の被災者を受け入れるためにいち早く避難所を開設したことを三重県の情報で知り、応援と研修をかねて三条市へ派遣を申し込んだ。
22日夕方、三条市役所に到着した津市の職員を国定勇人三条市長が迎え、応援に感謝した。国定市長は「ここは被災地ではありませんから、被災地ではない避難所のおもてなしの仕方を」、「日常空間のなかに被災されている人を引き入れるような形にしたい」と話し、被災対応とは違った感覚でと求めていた。
また、23日、総合支援センターで被災者総合支援センターでの対応などをしていた菰野町の加藤信也健康福祉課課長補佐は、「3人だが、できるかぎりのお手伝いをしたい」と話していた。
加藤健康福祉課課長補佐の話では、三重県は被災地から遠く、受け入れを体制を整えても希望者はないかもしれないが、受け入れが全国的な広がりになったら、いちばんに手を上げられるように体制を整えているという。今回は会議などにも参加して手法を学び、作成資料も書式を学ぼうとスマートフォンで写真を撮り、PDF化するなど積極的に三条市に学んでいた。
同町は東南海地震で被害が想定される地域で、今回の震災のように被害が太平洋岸に長く広範囲な被害が発生したら、「離れた自治体などとも災害の応援協定を結ぶのも大切なことだと考えている」と言い、将来的に三条市との協定を結ぶことも期待していた。
同町の派遣にあたり、町内の地域総合型クラブの子どもたちが書いた避難者に向けたメッセージも届けられ、総合福祉センターに掲示された。両市町の職員は大崎山のグリーンスポーツセンターを宿舎としており、今回派遣された職員はそれぞれ25日まで活動する予定。