三条市内33小中学校すべては5日、1学期の始業式を行った。福島県などから避難している児童や生徒たちも、それぞれの避難所から近い学校に就学、新しい学校での生活をスタートさせた。
三条市立三条小学校(丸山修校長)では、市内で最も多い18人の転入が決まっており、多くは同校に近い三条市体育文化センターに避難している子ども。午前8時40分からの始業式で入場する15人の転入生を拍手で迎え、全校児童に紹介した。
転入生は児童と向き合うようにステージ前に整列して順に自己紹介。少し緊張して名前と前の学校名、得意な遊びや好きな教科などを話した。
丸山校長はあいさつで、翌日の入学式で21人の新1年生を迎え、合計126人で新年度がスタートすると述べ、「新しい友だちが増えてうれしいですね」と転入する子どもたちを歓迎した。
「早く皆さんと仲良く、遊んだり、勉強したりできるようにお願いします」と在校生に協力を求め、転入生には「今はつらいでしょうが、朝の来ない夜はありません。希望をもって三条小学校の生活を送りましょう」と励ました。
始業式のあとは、各教室で新しい先生や友だちの自己紹介をした。6年生は福島県から避難している5人と家族の都合で転入した1人の6人が転入し、全部で23人になった。担任は「わたしも平成16年の7・13水害では被災し、家に帰られませんでした。今では元通りの生活をしています」、「皆さんも元通りの生活に戻れると思います。一緒に頑張りましょう」と話した。
南相馬市の幾世橋小学校に通っていた田辺由紀さん(11)は、「前の学校に帰られるか不安」だったが、「わたしは○○です、よろしくお願いします」とさっそく声をかけてくれるクラスメイトたちに「いい人そうな人でよかった」と笑顔を見せた。
このあと掃除などを行い午前中で放課。翌6日は午前中の入学式に出席したあと、2年生以上は給食が始まり、授業も行われる。
避難している転入生の人数は流動的で、三条市教育委員会によると4月3日現在では、小学生は計45人(三条18、四日町11、裏館1、西鱈田7、大崎6、保内1、大面1)、中学生は計17人(第一7、第三6、本成寺2、大崎2)。中学生の制服は、各学校での転入説明の時に採寸して新しい制服を作り、費用は三条市が負担する。