燕市の燕地区と分水地区の小学校が始業式を行った6日、東日本大震災の関係で燕市に避難している福島県の小学生10人が市立大関小学校(天海幸男校長)に転入し、新しい学校生活を始めた。
燕市では、市内に避難している小学生が一緒に勉強できるようにと基本的には市立大関小学校で受け入れた。市内の第1、第2避難所から2年生2人、3年生1人、4年生2人、5年生2人、6年生3人の10人が転入した。
同校では、始業式前に体育館で天海校長が転入した10人を在校生に紹介。転入生には、「きょうから大関小学校の仲間です。学校は皆さんを大歓迎します。いろんなことがあると思いますが、楽しい学校生活を送ってほしいと思います」と歓迎した。
転入生を含めて全校児童126人での新年度のスタート。「大関小の子どもたちはとっても優しくて、思いやりをもって元気いっぱいの子どもたちで、すぐに友だちになれると思います。わからないことがあったら、遠慮しないで聞いて、楽しい生活をしてください」と話した。
続いて、在校児童が「ようこそ大関小学校に来てくれました」と歓迎の言葉を述べ、「きょうから大関小学校で一緒に生活して元気になってほしいと思います」。
6年生は毎年、福島県の会津に修学旅行に行っているので、「福島県のことも教えてほしいです」。さらに、「友だちもたくさん増えて、今までよりも元気いっぱいで楽しい学校になると思います。少しでも早くわたしたちの学校に慣れて、わたしたちと友だちになってください」と話した。
始業式後、転入生は別室に移って新しいクラスメートが迎えに来るのを待った。通っていた小学校は違うが、避難所で仲良くなったという子どもたち同士では笑い声も多いが、それぞれ緊張気味だった。
福島県南相馬市の石神第一小学校に通っていた新5年生、鈴木愛音さんは「ドッジボールがしたい。けど、みんなの名前も知らないし…」、6年生の女の子も「あ〜、帰りたい。どきどきする」と、小学校へ帰る喜びと不安が同居して内心は複雑だったが、2人とも精いっぱいの笑顔だった。
新3年生の男の子は、大関小にウサギがいることを知ってほほえんだが、「前の学校にもウサギがいたの?」と聞かれて「津波で流されたと思う」とぽつり。
浪江町立苅野小学校に通っていた新6年生の山田瑞樹君は、「前の学校の友だちが大丈夫なのか不安な気持ちでいっぱい」。テレビに各地の避難所の様子が映ると一生懸命見ているが、友だちを確認できない。携帯電話を持っている高校生やおとなとは違い、連絡する手段がないので、どうしたら知ることができるだろうと心細そうに話した。
しばらくして新しいクラスメートたちが、それぞれ5人から10数人と大勢で迎えに訪れ、低学年では手をつなぎ、高学年では「よろしくお願いします」とお互いにちょっと恥ずかしそうにしながら新しい教室へと案内していった。児童たちは、午後からの入学式にも出席。翌7日は午前で放課、8日から給食が始まる。