燕市へ避難していてもふるさとで日課だった畑仕事を再開し、少しでも震災前の日常を取り戻してもらえればと、燕市は避難している人たちに無料で畑を貸す試みを始めた。
畑は第2避難所の市民研修館・武道館から数百メートルほど離れた燕市八王寺地内にあり、広さは約1,200平方メートル。所有者が畑を無料で貸してくれることになった。
畑を借りたい人の参加申し込みを受け付けいるところで、作付けを希望する野菜や花、面積がまとまりしだい調整して貸し出しを始める。
第2避難所には約80人が避難している。避難している人の多くが高齢者。仕事をもっている人の多くは、一時的にせよ福島県南相馬市などふるさと戻っているため、就業を希望している人は数人しかなく、それよりも畑仕事のニーズが多い。
そこで畑仕事をすることが日常を取り戻し、社会参加につながり、心のケアにもつながるのでと、畑の貸し出しを企画した。
第2避難所へ避難している人たちの代表、元市職員の佐藤賢二さん(59)=南相馬市鹿島区=も、もともとは農家。「10人くらい申し込みがあるんじゃないかと思います」と歓迎し、「葉ものが中心になるでしょうね」と春耕を楽しみにしている。