16日早朝、燕市の避難所で暮らす福島県南相馬市の23人が一時帰宅、6人が帰宅するのを前に15日、帰宅する6人に燕産のコメを1人に10キロずつプレゼントした。
この一時帰宅や帰宅は南相馬市がバスで送迎して行う。一時帰宅するのは消防本部・防災センターの第1避難所の12人と研修館・武道場の第2避難所の11人の23人、帰宅するのは第1、第2避難所とも3人ずつの6人。
合わせて29人が16日午前5時20分にバスに乗って第2避難所を出発。一時帰宅者の現地での滞在時間は約3時間に限られる。
帰宅する6人には、地元に戻ってから食事の足しにしてもらおうと10キロ袋に入った燕産のコシヒカリを寄付したもので、15日夕方、鈴木力市長が第2避難所と第1避難所の順に回って直接、帰宅する人に手渡した。
第2避難所では「これもご縁でございますし、戻られた方で生活するに当座、おコメが必要かなと思いまして、ぜひ1カ月の記念の意味でもぜひ受け取っていただきたいと思います」と話してコメを手渡した。
3人は夫婦2人と佐藤ナミさん(88)。「至らない点があったかもしれませんが」と話す鈴木市長に佐藤さんは、「申し訳ないです」、「本当にありがたいです」と感謝する一方、「原発があるためにこっちの方まで来なきゃなんなかったっていうことは、ちょっとわたしは、ふに落ちない」。
さらに、「それさえなければ、ここまで来なくたって良かった」、「誰が原発持ってきたの。それがもういちばん…」と悔しがり、「持って来た人に責任とってもらわないと。そう思わない?」と鈴木市長にも同意を求めた。
燕市は「いいとこですね」と、「避難してくることは二度としたくないです」と言いながら、「今度は遊びに来ます」と周囲を笑わせていた。佐藤さんはひとり暮らし。子どもは首都圏に住み、ことしは米寿を祝ってくれることになっていたと言う。