地震発生から1カ月余りが経過した17日夜、福島県南相馬市から三条市に避難していた65歳の男性が、入院先の市内の病院で死亡した。
男性は、86歳の母親とともに三条市内の避難所に避難していた。男性は脳梗塞(こうそく)などの後遺症があり、血圧が高いなど持病があった。
12日に吐血し、救急車で市内の病院に運ばれた。母親がずっと付き添っていたが、17日夜、亡くなった。
三条市によると、持病があったことは聞いているが、死亡の原因については聞いていないとのこと。翌18日に三条市内で火葬。母親と迎えに来た関東に住む男性の姉妹とともにあいさつのため避難所に寄り、三条をあとにしたという。
男性と同じ避難所だった人たちによると、男性の自宅は津波の被害は免れたが、原子力発電所の近くだったという。以前に県外に住む男性のきょうだいがこの避難所に迎えに来たことがあったが、「(福島の自宅に)帰るから」と、自宅に戻ることを信じて断っていたという。
避難所では寡黙だったが、みんなに迷惑をかけたくない、母親を心配させたくないという思いは伝わっていたという。救急車に乗るときには「おれは大丈夫だからな」と避難所の人に話したが、聞いていた人は心配する母親を気遣ったのではとも。
男性が亡くなった直接的な原因はわからないが、体が思うようでないなか四六時中他人と過ごしている避難所生活は、男性にとって大きなストレスだったことは間違いないのではと話していた。