燕市分水観光協会(田中公一会長)は、22日と24日の2回、燕市に避難している人を対象にした花見ツアーを行い、サクラの花が見ごろを迎えた大河津分水路などで花見を楽しんでもらっている。
大河津分水のサクラ並木は県内有数のサクラの名所。ここで同協会が毎年、開花にあわせて行っている「分水おいらん道中」は県外からも観光客を集める名物行事となっているが、同観光協会は枚とことしは東日本大震災の発生で中止した。
しかし、すでにぼんぼりの広告料や寄付などを企業や商店から受けたが、これらは義援金など被災した人たちのために使うことで了解してもらった。今回はその一環で花見を計画したもので、1回目の22日は第1避難所から22人が参加した。
同観光協会が手配した観光バスで先に燕市国上、国上寺を見学し、正午からおいらん道中が歩く予定だった大河津分水堤防の公園で花見。鈴木力市長と大岩勉市議会議長も合流し、満開のサクラの木の下にござを広げ、仕出し弁当の昼食を味わった。
花曇りながら薄手の上着で十分な春の陽気。缶ビールもあり、弁当を食べるとござの上に寝ころんだり、足をのばして歓談したり。福島県南相馬市の女性は、福島の地元のサクラに比べて幹の太さの割に背が低いこと姿を方言で「びっちく」と表現。枝が少なく、冬の積雪や北風が影響しているのではと聞き「同じサクラでも違うね」、「(新潟のサクラは)静かな感じですね」と話していた。
また、サクラは南相馬市の市の花。南相馬市・夜ノ森公園(よのもりこうえん)には、2キロも続く見事なサクラの花のトンネルを誇る。また、先に一時帰宅したときも、主が留守の家の庭でモクレンやスイセンが咲いており、続いてツツジが咲くと話してふるさとを思い出していた。
花見のあとは、てまりの湯で入浴して帰った。2回目の花見ツアーには、第1避難所22人と第2避難所46人の68人が参加する予定だ。