燕市分水観光協会(田中公一会長)が24日行った2回目の花見ツアーに、東日本大震災で燕市に避難している人のうち70人近くが参加。ぐずついた天気で花見はできなかったが、代わりに燕市分水福祉会館で弁当を広げ、和太鼓や三線の演奏を聴いて花見気分を味わった。
同協会は東日本大震災の発生で毎年、サクラの開花にあわせて開いている燕市分水地区の名物行事「分水おいらん道中」を中止。そのために集めた広告料や寄付は、同意を得て義援金に充てることにし、その一部を使って22日と24日の2回に分け、燕市に避難している人を対象に花見ツアーを行った。
1回目の22日の参加は22人と少なかったが、おいらん道中が歩くはずだったサクラ並木のある大河津分水路の公園で開いた。24日は当初から和太鼓の演奏を計画したが、今にも雨が降りそうな雲行き。演奏中に雨が降っては困るので、屋内の分水福祉会館に会場を移した。同会館そばの分水良寛資料やJR越後線沿いで満開のサクラは移動中のバスの車内から見学した。
和太鼓を演奏したのは分水太鼓(小林常夫会長)のメンバー30人。おいらん道中をテーマにした「彩華」や夏まつりの「宵々宮」など4曲を演奏。さらに三条市の三線歌手、きよ里さんが沖縄民謡や昭和の歌謡曲メドレーなどを演奏した。
参加した人たちは、窓ガラスがびりびりと鳴るほど大きな音の和太鼓に度肝を抜かれ、三線の情緒あふれる響きに和み、懐かしい曲や親しんだ曲に手拍子。そして一部の参加者を喜ばせたのが、何と言ってもアルコール解禁だ。
集団生活の避難所生活では原則アルコール禁止だが、花見にはつきもの。ふだん我慢しているアルコールを大っぴらに飲んでもらおうというねらいもあり、缶ビールやカップ酒が1本、2本と空になった。
「きょうは解禁日だから」、東日本大震災発生から「1カ月半も飲んでねえ」と久しぶりのアルコールは格別。「向こう(ふるさと)では毎晩、晩酌してたから。日本酒、大好き!。新潟の酒もうまい!」と上機嫌だった。