国定勇人三条市長は27日午前10時半から緊急記者会見を行い、債権回収が困難な人に対して最大で1,000万円の緊急融資制度の創設、28日は市内4つの避難所で避難している人を対象に国定市長が直接、三条市の考え方を伝える説明会を開くことを発表した。
説明会は28日に午前10時半から総合福祉センター、午後1時半からソレイユ三条、3時からサンファーム三条、7時から体育文化センターで開き、1日で4避難所すべてを回って国定市長から避難生活の長期化に伴う避難生活環境の改善、就労、就学支援、一時帰宅に関する三条市の考えを説明する。
現在、市内の避難所では419人が生活し、公営住宅や市民提供物件へ95人が移り、市内には548人が避難している。
国定市長は、「3月16日以降、すべて網羅的に考え方をご説明する機会もなかなかなかったものですから、わたしの方でこの4会場を回らさせていただいて、避難されている方々に直接、お話を申し上げ、逆にまた、いろいろなご意見等もお聞かせいただければ」と話した。
政府は25日までに福島第1原発から20キロ圏内の警戒区域への一時帰宅の具体的な基準をまとめた。
これまで三条市は一時帰宅について、警戒区域、当時の避難指示区域に一時帰宅させられないとしてきたが、「政府の方で一時帰宅の方針が出た以上、今度はわたしどもが責任をもってお届けする立場になるわけですので、しっかりと説明をしていかなければいけないっていうのは、今回の説明会を開く大きな動機のきっかけ」になった。
「政府が表明していることと、実施主体と政府が決めつけているところの被災市町村との間では相当その…ん…」と国定市長は話してしばらく考え込み、言葉を慎重に選んで「計画の実現性、実効性に対して温度差がある。時期についても、政府が、あるいは首相が申し上げている状況と被災市町村が現実の声として言っている状況には少なからず隔たりがある」という認識を示した。
ただ、三条としては翌28日からでも一時帰宅の意向調査をし、「ゴーサインが出たら速やかに警戒区域に入れるようにしていきたい」と述べた。
緊急融資制度は、東日本大震災で取引先企業が被災したのに伴い、販売代金の回収や運転資金の確保が困難になっている中小企業者を支援する。対象は売上高が2億円以内か、従業員が10人以内の個人と法人で、被災地の取引先に対する売掛債権の回収が遅延、困難なことを証明できる人。
使途は運転資金で融資限度は1事業者1,000万円以内で証明可能な1カ月当たりの回収困難債権額の6倍まで。企業負担利子の100%補給、信用保証料の100%補助を組み合わせて「事実上、借り入れされる事業者の金利負担をゼロとする」(国定市長)。
融資機関は7年以内で、償還は据え置きが融資から1年以内、毎月元金均等分割償還。予算では最大で200件、20億円を専決処分し、5月中旬の融資実行開始を目指す。