三条市・法華宗総本山本成寺の「三軌苑を愛する会」(捧賢一会長)は10日、震災復興を願って4月に同寺の苑庭「三軌苑」で開いた茶会「第22回春の宴」の来場者が募金箱に寄せた善意2万8千円余りを三条市に避難している人のために役立ててほしいと三条市に寄付した。
午後1時過ぎに三軌苑事務局で(株)コメリ執行役員の早川博さんが市役所を訪れ、国定勇人市長に、参加者から寄せられた善意2万8,718円を手渡した。
同会は平成元年、同寺のツバキの植栽を中心とした庭園「三軌苑」の復元に尽力した任意団体。翌平成2年から毎年、茶会を開き、ことしも4月24日に開いた。
東日本大震災発生で自粛も考えたが、ことしは本成寺貫主に石丸日然猊下が入山、園内の老朽化した回廊を新たに落慶した記念の節目となる年でもあり、震災復興を願うとともに、震災犠牲者の冥福を祈る法要を行い、義援金の募金箱を設置した。
来賓や市民など約400人に加え、三条市内に避難している45人ほども参加し、苑庭での野点を楽しんだ。
早川さんは、当初は被災地への義援金として募金を呼びかけたが、捧会長も三条市に避難している人たちとふれあい、寄せられた善意を見えるかたちで使ってもらえればと、三条市への寄付としたと話した。
当日はサクラが満開で、参加した国定市長はサクラの下で会った避難所で生活する小学生の女の子に何をしているのとたずねたら、「お花に祈ってるの」、何をと聞くと「家に帰りたい」との答えが返ってきたと話し、切なく、なんとかしなくてはいけないと思ったと話していた。