15日の三条まつりで行われる名物行事の大名行列を前に、行列を先導する奴(やっこ)を演じる三条先供組合(赤坂一夫会長・31人)は、ことしも10日夜から本格的な練習を行っている。
10万石の格式とされる三条の大名行列は江戸時代に始まったとされ、毎年400人近い編成の行列で、午後0時45分に八幡宮を出発し、商店街通りを西から東へ進む。
その行列の先頭の鉄棒、露払いに続く先供は、先箱(さきばこ)、長柄(ながえ)の傘、大羽熊(おおはぐま)、投鞘槍(なげさややり)、天目槍(てんもくやり)、台傘(だいがさ)、立傘(たてがさ)、手杵傘(てぎながさ)の道具の順に、2人1組で、たがいに道具を投げて受け渡しながら進む。
当日は、組の2人が道の両端まで広がり、先端に重量のある道具を1人が投げて、もう1人が長い柄をしならせながら受け取るといった受け渡しがうまくいくと、沿道の観客から拍手と歓声が起こる、花形的なパートだ。
同組合は毎年、5月1日に八幡宮で顔合わせを兼ねた練習を行い、10、11、12日の午後7時から9時ころまで本格的な練習をし、本番にのぞむ。
毎年、ナイター設備のある学校のグラウンドで練習を行っており、ことしは南小学校が会場。メンバーは27歳から60歳の男性ばかり31人。ことしは三条市月岡、会社員高橋俊樹さん(32)が新人として1人が加入したが、行列には最低26人の参加が必要。交代要員を含めるとまだまだ足りないくらいで、やる気のあるメンバーを募集している。
10日夜の本格的な練習の初日は、それまでの雨でグラウンドコンディションが悪かったため体育館で練習。ストレッチ運動を行ってから、それぞれ練習用の道具を持って動きを確認したあと、隊列を組んで「えーとまかーせー」、「あれわいさーのさー」とかけ声をかけて練習し、1年ぶりの勘を取り戻していた。
ことしは、三条市内の避難所に市がバスを運行し、避難している人たちにも三条まつりを楽しんでもらおうと計画している。同組合の丸山光男副会長は、「縁あって三条市に来られた方たち、三条の祭りを見てもらい、勇気を与えられればうれしく思う」と話し、「ことしも立派な奴を見せられるように」と気合いを入れた。