東日本大震災に伴う燕市内の避難所の人たちが栽培する畑で震災からちょうど2カ月となった11日、野菜の苗植えや種まきが行われ、畑仕事が本格化した。
避難している人たちのなかには、ふるさとの福島県南相馬市などで畑をつくっていた人が多く、畑仕事をすることでそれ以前の生活のリズムを取り戻し、毎日に張り合いをと、避難所の近くの畑を借りて避難している人たちに貸している。
第1避難所は5月初めから、第2避難所は4月中旬から畑作業を始め、ジャガイモの種イモを植えているが、11日は一気にトマト、キュウリ、トウモロコシ、ナス、シシトウ、ピーマン、カボチャ、スイカの苗植え、種まきを行った。
第1避難所の消防本部・防災センターの畑は同センターのすぐ東側にあり、広さは約200平方メートル。11日は午前10時から畑仕事を始め、第1避難所の17人のうち10人余りが参加した。
「営農部長」こと畑仕事のリーダーは、大井安治郎さん(82)。昼前に作業を終わってくわに付いた泥を洗い流しながら「気分転換にはいいと思いますね」と話していた。
くわや鎌、草削りといった農具は、くわのメーカー、株式会社相田合同工場=三条市田島1= が必要なだけ寄付してくれた。くわは福島地型や新潟地型など違うタイプも用意し、福島から避難している人たちにも福島地型より新潟地型の方が腰を曲げずに立ったまま使えると好評だ。
若手の人は、年長者のくわさばきに「さすが大したもんだ」、「くわの使い方は難しい。若いもんより年寄りの方が上手だ」と感心していた。早いものは6月下旬にも収穫を始められそう。空いたスペースにはエダマメも栽培する考えで、相田合同工場が寄付した農具は次の通り。