町内の高齢者から昔話を聞いてやすらぎの時間を味わってもらおうと、燕市吉田下町の町内会(浜田克彦会長)が11日、町内の旧家を借りて昔話を聞く会「むかし あったてんがの〜」を開いた。
吉田下町では76世帯が暮らす。会場に入りきらないとおそれがあったので、対象は町内の70歳以上に限定し、約30人が参加した。
会場は町内の旧家、香林堂。一般公開していないが、今回は町内の行事ということで特別に会場に貸してくれた。昔話を披露したのは、燕語りの会(近嵐京子代表)会員4人。こっけいな言葉遊びに声を出してわらったり、落語のようにとんちのきいた話にじっくり聞き入ったり。
手遊びや数え歌もあり、最後は菓子と茶で茶話会。今では数少なくなった土間のある座敷で、日常にない時間と空間に、まさに時空を飛び越えた子どものころに返った気分も味わった。
町内のおばあさんが「昔話をゆっくり聞いてみたいね〜」と話したのがきっかけだった。東日本大震災もあり、誰もが心に大きな痛みを感じている今こそ、お年寄りにやすらぎの時間を届けたいと、初めて企画した。
きっかけになったおばあさんは、幸田ノブヨさん(88)。「昔話の本を買って孫に聞かせてた。しゃべんのがよっぱらんなって、テープに吹き込んで孫に聞かせてた」と大満足で思い出を話していた。