東日本大震災の影響による三条市の避難所のひとつ勤労青少年ホーム「ソレイユ三条」から27日朝、地域の人や避難所の人たちが見送るなか、12人がまとまって福島県南相馬市に戻った。
これまでも三条市の避難所から大勢が帰郷しているが、ひとつの避難所から団体での帰郷は今回が初めて。ほとんどが三条市が被災者の受け入れを開始した3月16日夜に大型バスで避難してきた人たち。それから2カ月半近い生活で荷物も増えたことから、三条市が大型バスを手配した。
午前8時前にバスが到着。避難所や避難所を出て三条で生活をしている福島の人をはじめ、2か月余り交流を続けた地元老人会「熟年 いこいの会」のメンバー、ボランティアなどが見送りに訪れ、市職員など合わせて50人ほど見送りに集まった。
福島に戻る人たちは荷物を積み込んだあと、それぞれが見送りの人たちとあいさつし、「本当によくしてもらって、ありがとうございました」、「三条市からよくしてもらって、お世話になりました」、「元気でやってください」、「お互いに元気出して頑張りましょう」と感謝の言葉を重ねた。
避難所で共に生活してきた福島の人同士は「向こうで待ってるからね、向こうで会いましょう」と、別れの握手をし、バスに乗り込んだ。出発直前まで、バスの窓から身を乗り出して見送りの人たちと握手し、目を潤ませて手を振って別れを惜しんだ。
バスが動き始めると、バスの中から「後に続けよ!」との声も。見送る人も見送られる人も「元気でね」と大きく手を振り、道路に出たバスに向かっていつまでも手を振る人もいた。
バスは、南相馬市の避難所の原町第二中学校へと向かった。アパートに入居する人もいるが、南相馬市の仮設住宅に入る人はいない。ほとんどの人は今度は地元の避難所に移って新しい生活をスタートする。