1日から30日まで和風喫茶&ギャラリー「茶房 若狭や」=燕市秋葉町1=で、行動美術協会会友で洋画を描く平松美次代さん(66)=燕市殿島1=の小品展が開かれている。前日まで行われた第66回新潟県美術展覧会(県展)審査で平松さんは4回目となる奨励賞を受賞し、思いがけず受賞記念展ともなっている。
展示している作品は、6号から10号の15点。小品展に向けて今の時期に咲く花を中心にバラ、コデマリ、ユリ、アジサイ、ホタルブクロ、フクジュソウなどをモチーフに描いた。画材にアクリル絵の具やガッシュ、透明や不透明の水彩絵の具などを駆使した水彩で、それぞれの特徴を生かして描いている。
「こうでなければならないということはない。自由でいいんじゃないか」、「見たままを描くのは好きじゃない」と平松さん。庭でさまざまな花を作る。花から得たイメージを平松さんのフィルターを通し、あらためて再構築して描く。
自分で描いた作品を前に「こんな緑色のアジサイはない」と笑う。平松さんの頭に記憶されたイメージだけではなく、平松さんがこうあってほしい、見たいと願う花を生み出している。
学生のころから絵が好きで、「勉強がいやで美術部にいました」。その後も小中川公民館のサークル活動などに参加し、本格的に絵筆をとるようになったのは40歳を過ぎたころから。県展に挑戦するようになった。
代表的なモチーフは薬品などが入った一斗缶。そのモチーフでことしの県展の出品作『私の所感』で4回目の奨励賞に輝いた。昨年の県展は新潟県美術振興賞を受賞。中央の行動美術協会会友、新潟県美術家連盟会員で燕市展無鑑査、燕市美術協会会員でもあり、燕市の美術グループ創象会にも所属する。
県展賞奨励賞の受賞には、たくさん取っても仕方ないが、「続けて取ることには意義がある。続けることがいかに大変か。続けてきたからこそ、今の結果があると思います」と言う。
「賞をもらえば苦しくなる」、「周囲からもその枠で見られるのでだんだん切ない。昨年より良くなければならないと」。追い込まれることが向上につながり、今は「苦しみでもあり、楽しみでもあり」と達観する。
まとまった数の自身の作品を展示するのは、数年前に弥彦村のギャラリーで個展を開いて以来。「絵の積み重ね、日々の積み重ねの結果です」。今の平松さんを作品から感じてもらっている。
営業時間は午前10時から午後6時まで、毎週火曜と第2、第4水曜は定休日、会期中の休みは5、6、7日と14日、21、22日、28日。問い合わせは同店(電話:0256-62-2285)へ。