東日本大震災で燕市内に避難している人を対象に水遊び教室を2回開いた燕市水泳協会の有志の会は9日、燕市内に避難している人たちのために役立ててほしいと3万8,059円を燕市に寄付した。
有志の会代表の会社員横山秀幸さん(53)=燕市吉田栄町=と同協会事務局長で有志の会でも事務局を務めた更科淳さん(41)=同市水道町4=の2人が午後0時半に市役所を訪れて横山さんから鈴木力市長に善意を手渡した。
同協会会員から避難生活を送る子どもたちに何かしてあげられることはないかという声が上がった。更科さんは新潟県赤十字安全奉仕団燕市分団としての活動の中で、燕市の第二避難所でボランティアを続けてきたこともあり、水遊び教室を提案した。
有志で4月16日と5月14日に燕市スポーツ施設吉田トレーニングセンター「ビジョンよしだ」で水遊び教室を開き、市内に避難している子どもたちを招待。1回目は10人余り、2回目はその後にバーベキューを行ったこともあってさらに多く親も参加し、有志の会のスタッフ十数人がプールでの水遊びをサポートした。
教室開催の経費に充てようと、有志の会やその知り合いから10万円を超える善意が集まった。水着やゴーグルの寄付もあり、経費を差し引いた残りをそっくり寄付に充てた。
横山さんは、教室に参加した子どもたちによる色紙の寄せ書きも紹介。避難している人たちの役に立ちたいと思いながら一歩を踏み出せない人が多く、「声をかけてもらってお手伝いができて良かったという声を多く聞きました」と話した。
鈴木市長は「大きくなってもこれを覚えていてくれれば」と、善意の輪の広がりに期待する一方、津波で被災した子どもたちにとって水に対する恐怖がトラウマになっているのではと心配していただけに、水遊び教室が「楽しかった記憶になって良かった」、「この子たちの将来にとっても良かった」と喜んでいた。