燕市立図書館では、6月12日まで同図書館で「宮西達也 絵本展」を開いている。人気の絵本作家、宮西達也さんの原画展を秋に開くのに先駆け、市内3図書館が所蔵する宮西さんの作品を一堂に集めて展示している。
宮西さんは昭和28年、静岡県生まれで今も静岡県で創作を続ける。グラフィックデザイナー、イラストレーターから絵本作家になり、独自の魅力あるキャラクターと愛情あふれるストーリーでたくさんの作品を生み出している。
『きょうはなんてうんがいいんだろう』で第30回講談社出版文化絵本賞、『帰ってきたおとうさんはウルトラマン』、『おまえうまそうだな』などでけんぶち絵本の里大賞を4回受賞。小学校の読書感想文コンクール課題図書になった作品も多い。昨年秋には『おまえうまそうだな』が映画化されて全国ロードショー公開され、ファンを拡大している。
今回の絵本展では、燕、吉田、分水の3図書館がそれぞれ所蔵する絵本約80冊を集めて展示。職員が宮西さんのアトリエをたずねて行った突撃インタビューの掲示、サイン絵本やグッズの展示も行っている。
大きいものでA2判くらいのサイズの大型絵本10点も展示。紙芝居も展示しているが、それよりずっと大きく、『にゃーご』に登場するネコは大迫力。『帰ってきたおとうさんはウルトラマン』は、お父さんのファンも多い。
グッズはDVD、ポストカード、ぬいぐるみ、Tシャツなど、子どもでなくてもほしくなるセンスのものがずらり。また、絵本をコピーして切り抜き、飛び出す絵本のように立体的にキャラクターなどを配置した職員手作りのユニークなオブジェも展示している。
突撃インタビューによると、宮西さんが燕市で知っているのはラーメンや金属製品。家族構成や子どものころのようす、趣味や性格についても答え、燕市の子どもたちへのメッセージとして、原画展を楽しみにしてほしいと呼びかけ、「今、日本は地震のことや、いろいろ大変なことがいっぱいですが、みんなでがんばって一生懸命やっていきましょう」と伝えている。
同図書館は今秋、9月16日から10月1日まで宮西さんから絵本の原画を借りて原画展を開き、9月9日には宮西さんを講師に講演会も開く。2013年から全国の百貨店、美術館で宮西さんの原画展が予定されており、その準備のため、9月の燕市での原画展を最後に、しばらく原画を見られなくなるとのことで、宮西さんのファンには見逃せない機会になる。
今回の絵本展はそのプレイベントとしての意味合いも込めて開いている。また、12日は午後1時半から分水図書館で同図書館の読み聞かせボランティアによる「宮西達也スペシャルおはなし会」を開く。