三条市は、福島県南相馬市の警戒区域への一時立ち入りに伴って28日、市内3カ所から中継基地の馬事公苑まで三条市内に避難している119人を送迎する。
送迎するのは先に行った意向調査で、立ち入り禁止になっている福島第一原子力発電所から20キロ圏内の警戒区域への一時立ち入りを希望した79世帯の119人。市内の避難所を利用している人もいれば、公営住宅などに転居している人もいる。それとは別に意向調査後に市外へ移った8世帯の12人も同じ日に一時立ち入りに参加する。
送迎は午前4時に総合福祉センター、体育文化センター、総合運動公園の3カ所から市が手配する観光バス5台で出発。9時に馬事公苑に到着。そこからは必要な準備を整え、専用バスでそれぞれの居住地区へ向かう。
警戒区域内での滞在時間は約2時間。中継基地で行うスクリーニング検査などもあり、午後3時に馬事公苑を出発、8時に三条市に帰着するスケジュールだ。
国の原子力災害現地対策本部からの通知にしたがって警戒区域に含まれる各市町村は、警戒区域への一時立ち入りを実施しているが、南相馬市が県外からのまとまった一時立ち入りを受け入れるのは、三条市が初めてとなるようだ。
また、三条市、南相馬市の両市長は、先に国が一時立ち入りを避難先単位ではなく、居住地域単位で実施する方針を示していたことについて、一時立ち入りの実施作業が煩雑になり、避難者の精神的な分断につながることも心配していたが、その要望が聞き入れられたのかどうかはともかく、三条市に避難している人たちはひとまずまとまって一時立ち入りできることになった。