角利産業(株)=三条市東本成寺3・加藤敏敦社長=は20日、被災地のがれきの撤去などに役立ててもらえればと東日本大震災の被災地用に作った「災害救助工具セット」50セットを三条市を通じて南相馬市に寄付した。
災害救助工具セットは、ショベル、軽量平バール、剣型鉈ナイフ、パワーペンチなど災害現場で必要とされる工具をはじめ、皮手袋、防じんマスク、防臭マスク、防臭フィルター、防じんメガネ、クレモナロープなどと収納ケースの全14点をセットした今回の寄付のために組んだオリジナルセット。工具類は、ほとんど三条産。定価では1セット7万円余りなので、50セットで計約350万円相当になる。
同社は、これまでも「災害救助工具セット」をはじめ防災用品や非常持ち出し用品などの取り扱いがあるが、今回のセット内容は、東日本大震災の被災地に送ることを考えてがれきの撤去作業を想定して選んだ。
収納ケースは、被災地からの入札情報などを研究し、舗装された道路を移動させるような従来型の台車に載せるタイプではなく、移動中も両手が使える背負うこともできるタイプとして新たに企画・製造した特注品。生地はオレンジ色の丈夫な帆布(はんぷ)でサイズは長さ約100センチ、幅約30センチ、高さ約15センチ。おとなが背負えるように持ち手を長くし、工具類を収納すると15キロ余りになる。
この日、午前9時に加藤社長が市役所を訪れ、国定勇人市長に50セットの目録を手渡した。
災害復旧用の工具などを必要な被災地に贈りたいという同社から寄付の申し出を受けた市は、必要とされるところに届けようと、多くの市民が三条市に避難している縁からまずは南相馬市に打診し、必要との回答を得たことから同市に送ることとした。同セットは、今週末ころに市が手配するトラックで南相馬市に送ることになっている。
加藤社長は、どういうかたちで使われるかはわからないが、役に立ってくれればと話し、「復旧、復興が早くできるように願っています」とメッセージも込めている。