主要な撮影を終わって来春公開の燕のご当地映画『アノソラノアオ』の制作を支援する地元組織、はばたけ燕実行委員会(実行委員長・細川哲夫燕商工会議所副会頭)は29日、制作会社の(株)アイエス・フィールド(島田豪社長・東京都渋谷区渋谷3)に地元企業からの協賛金600万円の目録を贈るとともに、映画制作に関する覚書に調印した。
同実行委員会は燕市内の商工関係団体や社会奉仕団体、まちづくり協議会、JAなど各種団体の48人を委員に構成。『アノソラノアオ』の制作を支援する一方、制作費の約3分の1、1,000万円の協賛金を広告料として地元企業に募った。
すでに1,000万円を集めるめどはたったが、6月24日に12社から寄せられた600万円の第1回の振り込みを行ったことからこの日、調印式セレモニーを行ったもので、8月24日の第2回目の振り込みで残り400万円を振り込む予定だ。
午後1時から市役所で行われたセレモニーには細川実行委員長と島田社長、立会人として鈴木力市長が出席。燕市吉田地区の出身、在住の監督ナシモトタオさんも同席し、細川副会頭から島田社長に目録を手渡し、2人で覚書に調印、交換した。
細川副実行委員長は、東日本大震災のあとで寄付を集めるには厳しい状況だったが、「それでも皆さん、ご理解いただきまして気持ち良く(寄付を)いただいております」と協賛企業に感謝した。
協賛企業はエンドロールやパンフレットへの社名掲載のほか、具体的にはこれからの交渉になるが、逆に協賛企業側から映画を自社の宣材としても活用できる。協賛企業以外にも協力してくれた企業、団体もエンドロールに表示する。
細川実行委員長は、JAからの食材の提供だったり、劇中劇に登場する鉄魔神の製作、車両の提供など地元からさまざまな支援があり、燕市が「全域として協力する形」ができ、「燕はひとつというふうにもっていくには、うってつけの題材」となったことを喜び、ナシモト監督も「今回は本当に隅から隅まで燕を使い切ってという形で撮れたのですごく良かった」。
島田社長は「公開で全国を回る、世界を回る、表参道ネスパスでもイベントをやる。この地域がいかにこの映画と一緒にアピールしていく。とくに協賛してくださった企業のモノなんかも一緒に宣伝していきたい」と抱負を語った。
ナシモト監督が、映像で燕を見てもらうだけでなく、「別な地域に行ったときに、これが燕のものだったんだということがわかってもらえるようなことを仕掛けていくっていうのが我々の使命と思っています」と言えば、細川実行委員長も「地域を基にした映画の新しいスタイルができるかも」、「海外のバイヤーへのアピールにも」と期待した。
俳優の撮影はすでに終わっているが、7月13日から20日までくらいの間に3日間ほどかけて情景撮影を行い、12月には実行委員会を対象にした試写会、来年1月には地元試写会を開く計画だ。