三条市立保内小学校の6年生は30日、5年生だった昨年、授業の一環で栽培、収穫したコメ60キロを三条市に避難している人たちに食べてほしいと、義援米として三条市総合福祉センターの避難所に届けた。
午後3時過ぎに6年生の青山七海さんと山田ヒカルさんの2人が同センターを訪れ、贈呈式を行い、避難所の代表者らに60キロのうちの10キロのコメと6年生が書いたメッセージを手渡した。メッセージは「わたしたちの作ったコメです。たべてください!がんばれ日本!」と書いた模造紙に6年生一人ひとりが書いたメッセージを張ってある。
さらに2人は、「昨年、作ったおコメを皆さんに食べてもらいたくて持ってきました」、「被災者の方はつらいと思うけど、私たちの作ったおコメで少しでも元気になってくれたらうれしいです」と話した。
避難所を代表して子どもたちからコメを受けたった南相馬市小高区、杉義行さん(71)は、震災から112日、三条市に避難してから107日になると話し、その間の三条市からの温かい支援に感謝。「そしてまた、きょう、本当に皆さんから心温まるお米をいただいたことに厚く御礼を申し上げます。学校に戻ったら皆さんにも、よろしくお伝え願いたい。おいしく食べさせてもらいます」と、声を詰まらせ、あふれる涙をこらえながら礼を述べた。
寄付したコメは昨年度、5年生の総合的な学習のなかで育てた。昨秋、収穫祭を行って児童や保護者で味わったが、残った60キロの利用法を話し合っていた。外国に送ることも検討していたが、そのうちに東日本大震災が発生。三条市に多くの人が避難していることを知り、避難している人たちに食べてもらいたいと市に申し出た。
子どもたちの作ったコメは、この日の夕食にさっそく登場し、翌7月1日から7日までの朝、昼の食事で、ごはんとして味わってもらう。
贈呈式のあと、涙もろくなってしまったと涙をふいていた杉さんは、「本当に感激。うれしいです」、「ここ(三条)に来てからボランティアにお世話になり、第二の故郷だと思っています」。子どもが大好きで、「子どもたちが作ってくれたコメに感無量。味わって食べます」と話していた。