電力使用制限令が発令された1日、休日シフトなど節電行動計画をスタートした野島製作所(坂井幸二社長・三条市三柳)を国定勇人三条市長が表敬訪問した。
同社は、主に自動車のシートフレームなどを受注生産している。日本自動車工業会は夏のピーク電力消費量削減のため、休日を土、日曜から木、金曜へのシフトを決めた。
それにあわせて同社も1日から9月末までの3カ月間、休日を木、金曜にシフトし、土、日曜は稼働する取り組みをスタートした。金曜日だった1日は、シフトした初の休日で、翌2日の土曜から土、日曜を含めて水曜まで休まず工場を稼働する。
国定市長は午後2時に同社を訪れ、積極的に節電に取り組む事業所などが登録する三条市の「節電応援隊」と認定し、柴沢敏行常務に認定証を手渡した。
柴沢常務は、「停電は一番困る。なんとしても防がなくてはならない」と話し、会社としては15%の義務を上回る20%を目標としていることなどを説明した。
本社工場の180人を含む275人の全社員には、家庭での節電の取り組みを求めている。休日シフトだけの節電では足りず、「稼働しているときの使用電力をいかに下げるか」、「我慢できるところは最大限カットしていく」。
しかし熱中症になっては困るので、エアコンの温度設定は一律ではなく、1階と2階など場所によって変える。気温が上がって暑くなる前に先に冷房をつけて部屋を冷やし、30分つけたら5分切るなど、小まめな対応も工夫する。
休日シフトには課題もある。社員によっては介護や育児への支障、行楽シーズンには家族へ負担も予想する。取り組みを続けるうちに無理がきかなくなることも想定され、「会社がどういうふうに力になっていけるのか考えて行かなければならない」と社員とコミュニケーションをとりながら対応を考えていく。
国定市長は、三条はものづくりの町であり、電力の83%を生産設備で使用するといわれる製造業での20%以上の節電はハードルが高いとし、ほかの町以上に家庭やオフィス形態の事業所などでの節電協力が必要と話していた。