雷と大雨と強風で短時間だが大荒れだった5日朝、突風の影響で燕市では中学校の窓ガラスが割れて中学生10人がけが、三条市では住宅の瓦が飛ばされたり、倒れた木で道路が一時通行止めになるなど、風や雨の被害が相次いだ。
朝の雨は三条では午前9時ころから30分ほど強く降り、三条市消防本部の観測では9時から10時までの1時間に35ミリを記録。西裏館の同本部では、瞬間最大風速は20.1メートルを観測した。
燕市では、午前9時20分ころ、燕北中学校の3年生の教室の窓ガラス1枚が割れ、破片が生徒10人にあたり、3人が市内の病院で手当てを受けた。
教室は2階で、割れた窓は高さ約110センチ、幅約90センチのサッシ1枚。教室下の木の枝が強風によってしなるなどして窓にあたり割れたのではないかと見られ、折れた枝が垂れ下がっている。
この日はバレーボールの地区大会で、クラスの生徒34人のうち26人が教室で1時間目の授業中だった。ガラスがぱーんと大きな音をたてて割れ、破片が強い雨風とともに教室の廊下側の端まで飛び、男子4人、女子6人の10人の生徒に当たった。
うち男子1人が人差し指付近、女子の1人が左目下、1人がひじなどを切り、市内の病院で手当てを受けた。ほかの7人の傷は比較的軽く、保健室で手当てを受けた。隣りのクラスの窓ガラス1枚もひびが入ったほか、学校まわりの田んぼの中にあった電柱1本が倒れかけていた。
燕中等教育学校(荒木佳樹校長)でも、校舎の窓ガラス5枚が割れたが、生徒にけがはなかった。窓ガラスが割れたのは、いずれも特別教室のある棟の南側で、不思議と5つの教室の1枚ずつ、計5枚が割れた。
校舎のそばに木はなく、強風によるものと思われる。はっきりとは確認してないが、ガラスが割れると音がして、次々とガラスが割れたという報告があり、5枚はほぼ同時に割れたようだ。
同校ではすぐに業者に修理を依頼し、昼過ぎにはすでに新しいガラスが入り、何事もなかったように元通りになった。ただ、校舎は燕高校として開校した34年前、1977年の建築で、窓ガラスも当時のままと思われるが、窓とガラスの間に入るパッキンが硬化しているため、風によるガラスの震動を吸収できなかったことも災いしたようだ。この風で、パッキンが切れてだらりと垂れ下がった所もある。
さらに燕北中学区の小中川小学校でも外の小屋の窓ガラスが割れ、木が垂れる被害があった。
三条市では竜巻と思われる突風で、三貫地地内の住宅十数件で瓦が飛んだり、車庫やビニールハウスが壊れたり、道路標識が根元から倒れたりした。同地内の信濃川に架かる景雲橋近くでは、高さ20メートル以上はあるケヤキの木が倒れて県道1号新潟小須戸三条線をふさいだ。撤去作業を行う間、景雲橋から石上大橋方面までの間で通行止めとなった。
瓦が飛ばされたりずれたりしたという住宅の家人は、雷と風と雨とで「真白くなって、外が見えなかった。渦を巻いたみたい」、「ごーぎな音がした。生まれて初めて」、「うちがつぶれるかと思った」と言い、部屋の天井のあちこちからぼたぼたと雨漏りし、天井全体に雨のしみができていた。
ほかの家の人は、雨音の強さに「あられかと思った」。外は風が一方向に吹く台風とは違い、「しぶきが真白く、水が回っているような感じだった」とも。
また、雨の被害では、三条市では須頃3地内のコメリ脇とパチンコビーム脇のアンダーパス、燕市では井土巻地内の弥彦線アンダーパスがそれぞれ雨のため通行止めとなったが、うち2カ所でトラック1台ずつが立ち往生した。三条市では立ち往生した2トントラックの運転手の救助に消防が出動したが、運転手にけがはなかった。燕市では1.4トントラックが立ち往生し、運転手はすぐに脱出、業者が牽引して引き上げた。
短時間の停電が発生した地域もあった。午前9時20分ころ、夕方のように真っ暗になったかと思うと激しい雨風で、サッシの隙間から雨風が入るほどだったという。