三条市の国際交流員として間もなく1年の任期を終え、カナダへ帰国するヴィエン・ウォンさん(25)が6日、国定勇人市長に離任のあいさつをした。
ウォンさんは、昨年8月に国際交流員に就き、地域経営課に所属。公民館、保育所、養護学校などで国際理解を深める出張トークの講師を務めたのをはじめ、三条市の姉妹都市のカナダ・バーン市との事務連絡、在住外国人向けの翻訳、通訳、市のホームページの英訳、さらに7月1日号が最終回となった広報さんじょうの「Vienneののんびりティータイム」の連載もこなした。
仕事以外でも積極的に行動し、近隣のALTと交流。イベントにも参加し、音楽やヒップホップダンスを通じてたくさんの人に出会い、地元では「ヴィエンさん」とファーストネームで呼ばれて親しまれた。また、隣の燕市の飛燕太鼓にも挑戦し、飛燕夏祭にも参加することになっている。
ウォンさんは午前9時に市役所を訪れ、「すてきな人に出会えていっぱい経験できた」と喜んだ。国定市長は「健康だけは気を付けて。日本へのホームシックがあるとしたら、いつでも来てください」と話すと、ウォンさんは「今でも離れたくない。ありがとうございます。市長もお元気で」とにっこり。
市長へのあいさつのあとウォンさんは、三条市での思い出を問われると、「いちばんおもしろい思い出」を披露。来日して間もなく、紹介してもらった燕市・チャレンジャーに車で買い物に出かけ、右折する交差点を間違えて予期せぬ高速道路初体験。通行券も取らずにゲートを通過して新潟方面へ向かったが、巻潟東インターや帰りの燕三条の料金所の人などに親切にしてもらって事なきを得た。
「人の行動で、都市の雰囲気が変わる」と言い、「いろんな人と出会えて、三条が好きになりました」とも。三条市民へのメッセージとして、「どんな国籍、どんな言語を使う人でも、いちばん大事なのは心」、「言葉がわからなくても笑顔で絆はつくれる」と言い、外国人でも日本人でも声をかけたいと思ったら怖がらずにと話していた。
ウォンさんの任期は8月3日までだが、有給休暇などを使うことから実質的な勤務は翌7日まで。16、17日と行われる飛燕夏まつりに参加するほか、16日午後2時から三条市保内公園で開かれる「東日本大震災無料Charity国際交流コンサート Emotion!」にシンガー「Vie」として出演。8月初めに帰国する。