三条署(富岡克隆署長)と三条市本町3、大光銀行三条支店(梶山敏男支店長)は、12日午後4時20分から同支店強盗訓練を行い、署員が犯人役となって拳銃強盗を想定して訓練した。
犯人役の男性警察官2人が拳銃を手に同支店に押し入り、来店客を人質にとって現金を奪って逃走するというシナリオ。犯人役は、どかどかと店内に入るなり、「金を入れろ!」、「みんな手を上げろ!」、「撃つぞ!こいつ!」と大きな怒声を浴びせながらモデルガンを鳴らした。
訓練とはわかっていても、迫真の演技や大きな音に女性行員は顔を引きつらせた。行員は犯人の特徴などを覚え、犯人が外へ出ると追いかけてカラーボールを投げつけ、警察へ通報するなどして訓練を終わり、検討会を開いて三条署の原伸一生活安全課長が講評を行った。
どれだけ現金の受け渡しに時間をかけて引き延ばせるかが訓練の肝のひとつ。逃走までの時間は1分24秒と平均的とのことだったが、原課長は窓口にある現金をすぐに渡してしまったことを指摘。その後、さらに奥へ現金を取りに行ったが、窓口の現金だけで逃げる場合もあり、「窓口に現金があっても取りに行くように」と時間を稼ぐよう求め、「訓練でもこんなに怖いですから、本番はこんなものではありません」と対応の難しさを強調した。
三条署管内の刑法犯認知件数は平成15年の1,500件余りをピークに7年連続で減少し、ことし6月までの上半期も前年比20件減の413件となっているが、昨年は三条市大面地内のコンビニ店で強盗事件が発生しており、三条署管内でも強盗事件など凶悪な犯罪が発生するというリアリティーをもつよう求めた。
また、行員は覚えていた犯人の特徴を説明し、最後に犯人役が登場すると記憶とのあまりの違いに「全然、違う…」とびっくり。平静な気持ちでいることの大切さを実感。梶山支店長も、「本当に迫力があっていい勉強をさせていただきました」と話していた。
今回の強盗訓練は同支店からの依頼を受けて行ったもので、三条署管内でことしに入って行った金融機関対象の強盗訓練は2回目。