三条市は、東日本大震災の発生で延期した三条市成人式を「海の日」の18日午後1時から燕三条地場産業振興センターで行い、対象者1,106人のはたちの門出を祝う。
三条市の成人式は毎年「春分の日」に行っている。ことしも3月21日に計画し、準備を進めていたが、その10日前に東日本大震災が発生。前日に20日に同じ会場で成人式を計画した燕市は予定通り実施したが、三条市は4カ月後の「海の日」に延期を決めた。
新成人19人を委員とする三条市成人式実行委員会(熊倉茂樹実行委員長)は、延期中も毎月、会議を開いてさらに内容を検討した。第一部式典、第二部成人祝い抽選会、第三部記念写真の基本的な流れはこれまで通り。最初に震災の犠牲者に対して黙とうをささげ、新成人による「成人のことば」でも被災地や被災者を見舞う言葉を入れることにした。
会場には義援金の募金箱を設置する。NPO成人式サポート協会は、これまで事前に企業などから寄付を募って新成人に記念品を贈っていたが、今回は記念品をやめ、代わりに寄せられた50万円を義援金に寄付することにした。会場で新成人に配るパンフレットには「がんばろう日本。」の字句を加えた。
成人式を夏にすることで最も問題になったのが、女性が着る振り袖だ。真夏に振り袖は暑い。成人式で久しぶりに顔を合わせる友人と振り袖姿を互いに披露したいという新成人やその保護者はもちろんだが、振り袖を用意する業者からも反発はあった。
ただ、当日は振り袖を着られなくても事前に振り袖を着た写真を撮るのがふつう。また、県内では妙高市、佐渡市、村上市などが夏に成人式を行っていて珍しいことではなく、夏でも振り袖で出席する人があるという。
また、当日は休日でもあり、振り袖を着た人のためにも空調は「節電の夏」とはならないようだ。また、炎天下で友だちと話すのも大変だろうと、閉式後にすぐに会場を閉めずにしばらく会場で過ごせるようにしておく。
ことしの成人式の対象は平成2年4月2日生まれから翌3年4月1日までに生まれた三条市民で、市外へ転出していて出席を申し込み、電話で受け付けた人も含む。