燕市が体育センターに設置していた旧第2避難所に避難している人たちのための畑で20日、避難所の人たちと地元保育園児によるジャガイモ堀りが行われた。
防災センターに設置している第1避難所で、今も福島県南相馬市の13人が避難生活を送っており、イモ堀りにはそのうち6人が参加。さらに畑の目と鼻の先にある大曲八王寺保育園の年長児22人も参加して一緒にジャガイモを掘った。
午前9時から行ったが、すでに厳しい暑さ。園児は青い帽子に長靴で畑に入った。園児が掘りやすいように事前に軽く土を起こしておいたので、園児でも素手で土を掘ることができた。
ジャガイモはサツマイモのように皮が赤い品種。あまり大きく育たず、園児の握りこぶしより小さいジャガイモがほとんどだったが、ジャガイモを次々と顔を出すと園児は「すごーい!」、「もう持てない!」。ついでに「あっ!、カエル!」といろいろなものを発見して大喜びだった。
避難所の人は農業経験者もあり、農具を使って土を掘ってあげた。畑にはほかにもスイカ、トウモロコシ、エダマメ、ナス、トマト、カボチャと夏野菜などさまざまなものを植えており、ほかにも収穫できそうなものを園児に見つくろってあげていた。
避難所の畑は、避難している人たちから少しでも日常の生活を取り戻し、避難所生活の励みにもしてもらおうと、鈴木力市長のアイデアで4月中旬から本格的にスタートした。福島とは気候や風土が違い、福島に比べてあまりに雨降りの日が多く、「いつ植えたらいいのかわらかんらない」と戸惑うこともあったが、変化の少ない避難所生活に確実に潤いをもたらした。
市は今月末で避難所を閉鎖する。この日、収穫したジャガイモなどを食材に煮物やポテトサラダを調理し、28日午後6時から燕市・分水長寿苑で収穫祭を行う計画で、これが実質的な避難所閉鎖のイベントとなる。