燕市が市内3地区で順に開いた市民と鈴木力燕市長との懇談会「市長とのふれあいトーク」の最終3回目、吉田地区会場が27日、燕市吉田産業会館で開かれ、3回で最多の市民約100人が出席した。
13日の燕市中央公民館は約80人、20日の分水公民館は約60人が出席。今回は出席者が最多だった以外にも、若い人や女性の出席が目立ち、建設的な質問や意見、鈴木市長を支持する声が多かった。
鈴木市長が1時間余り、燕市の取り組みについて話した後、質疑応答を行った。平成25年の完成を目指す新庁舎が完成した後の吉田庁舎の活用に関する質問に鈴木市長は、「大まかなイメージ」と前置きして、3階部分は公的な団体に有償で賃貸、平屋部分は場合によっては農産物の直売所など市民が交流する活用法のアイデアを紹介した。
ほかの市民からは、新庁舎建設は燕市の一大プロジェクトで、完成したら「鈴木市長の下で盛大に祝いたい」、さらに別の人も「完成の暁には市民を挙げて喜びたい」と歓迎、エールを送る声があった。
燕、吉田、分水の各地区の夏まつりが終わったばかりだが、地区の融合を図るために3地区の夏まつりを同日開催にして「8万市民が一緒になってまつりを」という意見もあったが、鈴木市長は燕と分水の夏まつりが重なっており、逆に日をずらすことでそれぞれのまつりに参加しやすくなり、燕市の一体化につながるという考えも示した。
地元の聴覚障害者協会の代表は毎年、市長に要望書を提出しているが、はっきりとした回答をもらったことがない、「わたしたちに何か問題があるのでしょうか」と質問したのに対し鈴木市長は、要望書は見たが、回答していないということなら、担当部署に回答させるとした。
足が不自由なので早く吉田駅にエレベーターを設置してほしい、すでに東三条駅にはあるという質問には、JRの事業なので市が申し入れても限界がある。震災後の燕市の空気や水道は安心なのかという質問には、モニタリングの数値に基準値を超えたデータはなく、浄水前には若干のセシウムが検出されているが浄水後の水道水に問題はなく、安心するよう求め、万が一のことがあればホームページなどで公表し、「何かあったら皆さんにすぐにお知らせする」と約束した。
もっと燕をPRし、燕にバスを呼んで観光や店で金を使うようにしてほしいという提案には、鈴木市長も感謝し、震災で影が薄れたようになっているが、これまでの取り組みを紹介し、理解を求めた。
「きょうは息子がどうしてもお母さん行ってくれと言われて来た」と話すお母さんは、息子にゴマのアレルギーがあり、給食にゴマやゴマ油が入っていると食べられず、代替食を持たせているという。新潟市では給食に代替食があると聞き、燕市が統合する新しい給食センターではどうなるのかという質問に鈴木市長は、新しい施設では計画的に対応を盛り込むことになっており、今の施設での対応は即答できないが、要望は担当課に伝えたいとした。
燕北中学校の規模が縮小し、希望する部活動がないからと燕中学校へ通う生徒がいて地域住民は「ふに落ちない」という声に鈴木市長は、「用具が予算がなくて更新ができないという話は耳が痛い」、予算が子どもたちに影響しないように創設した子ども夢基金にこの場を借りて理解、協力を求めた。藤沢健一教育長は、燕北中学校も校長をはじめ一生懸命取り組んでおり、地域のからの応援にも感謝しているとした。
最後に、市長の話が一方的過ぎる、市の対応をこの場で明確に示してほしい、通りいっぺんのその場しのぎの言葉でなく気持ちのある回答がほしい。ホームページを見てくれてと言っても高齢化の時代にどれだけの人が見られるのかと、厳しい指摘もあった。
鈴木市長は「不手際があったことはこの場をお借りしてお詫びしたい」と述べ、自身の思いが「伝われなければ、わたしの不徳のいたすところ。申し訳ありませんでした」と詫びた。