武田金型製作所(武田修一社長・燕市西燕)は、アップルのタブレット型コンピュータの新型「iPad 2」を発売したのに伴って、同社も前モデル用に作ったオリジナルiPad専用金属ケース「iPad ARMOR(アーマー)」のiPad 2対応モデルを8月10日に発売する。
「iPad ARMOR」は平成22年度ジャパン・ツバメカトラリー・ハウスウェアデザインコンクールで県知事賞受賞の高い評価を受けた。数多く市場に出回っているiPad用のケースがプラスチック製のなか、「iPad ARMOR」は金属製で、アルミ製が6,300円、チタン製が12,600円。
iPad 2対応モデルは、もちろん形状をiPad 2にフィットするように変更した。iPadは側面が立っていたが、iPad 2の縁には平面がないので、四つ角で支持をきつくした。当初はスライド式の装着も考えたが、ユーザーの要望もあって前モデルで好評だった、はめ込み式を採用した。また、ディスプレー側にも装着でき、使わないときはディスプレーの保護に利用できる前モデルの特徴も継承した。
高い精度で見事にiPad 2にジャストフィットし、飾り気のないシャープなデザインは息をのむような美しさを見せる。しかし、そこに難しさがある。
iPadにも製造誤差があり、それによってきつかったり、緩かったりする。前モデルではユーザーから2回、送り返してもらって調整した経験も。その経験が生き、誤差も考慮して平均値をとって作ったので、はめ込みに不具合はないと自信を見せる。とりあえずはアルミ製を7,350円でネット販売するが、要望があればバリエーションを検討する。
同社は金型製作が本業だが、2005年から金属製の名刺入れを発売するなど、新分野に積極的に取り組んでいる。一方でアップルのiPodやiPhoneの金型を製造した実績もあり、アップルの製品のアクセサリーを手掛けるのに違和感なかった。
さらにUSTREAMを利用して同社での開発の様子を生中継して、ものづくりの現場を可視化してユーザーの共感を集め、要望を製品にフィードバックさせた。その成果が「iPad ARMOR」。燕市では鈴木力市長の公務にも利用するiPad 2の導入に伴ってさっそくニューモデルを購入しており、タブレット端末の普及もあって「iPad ARMOR」への注目はますます高まりそうだ。