記録的豪雨で住宅2棟が流失した三条市森町地内の五十嵐川右岸は、濁流で川岸が大きくえぐられて無残なつめあとを残している。
住宅が流出したのは、鶴亀橋のたもとから下流川へ約100メートルのところ。ハクチョウの飛来地として知られる場所で、ハクチョウの見学で河川敷へ下りる坂のあった観察小屋の上流側だ。
2軒とも基礎部分のコンクリートを残してほとんど跡形もなく流された。河川敷へ伸びているはずの道路は途切れてがけに。河川敷へは緩やかな斜面を下って下りられたが、その茶色の土砂がすっかり流されたうえに岸をえぐって、川岸は切り立ったようになった。
河川敷は灰色の岩盤がむきだしに。家が流された人は、避難していて無事だった。ハクチョウの観察小屋も流失するなど、森町ではほかにも車庫など7棟が流失した。
付近の人の話では、増水して家が流れた所からさらに下流側の田んぼが広がっている地域は堤防が低いため、そこから水があふれていたと言い、両岸の川沿いの家では家が流される恐怖を感じていた。
1日の水量は当時と比べればはるかに少なかったが、川の水はなお茶色に濁り、うるさいくらいの音を立てて流れていた。