3日、南相馬市をはじめ福島県の東日本大震災の被災地にあるボランティアセンターから三条市災害ボランティアセンターに大量の資材が届いた。資材は全国から寄せられたものが多く、「資材」という被災地復興のバトンを震災被災地から水害被災地へつないだ。
南相馬市内の鹿島区と原町区、その北に隣接する相馬市、さらにその北の新地町のボランティアセンターから資材を集めた。それぞれ7月までは「災害ボランティアセンター」だったが、8月に入るとともに「生活復興ボランティアセンター」に名称を変更している。
南相馬市の4人と相馬市の1人が、4トントラック2台とワゴン車1台に資材を満載して一部を田上町に届けた後、三条市災害ボランティアセンターの三条本部、下田本部にも届けた。
車には一輪車をはじめタケぼうき、ブルーシート、マスク、ゴム手袋、タープなどを満載。下田体育館に開設されている下田本部では、ボランティアセンターの従事者と一緒に次々とトラックからおろした。
南相馬市社会福祉協議会の佐藤信一事務局長は、1日も先に阿賀町に資材を届けたのに続いて今回は三条市へ。「新潟の皆さんには大変なご支援をいただきました。何をやっても駆けつけなきゃなんない、早く物資を届けようと来ました」と言う。
三条市をはじめ、新潟県内に東日本大震災に伴う数多くの南相馬市民が避難していることから、その恩を返そうという思いでいっぱい。地元でも復旧作業が続き、仮設住宅に住む人の生活支援も大切だが、「新潟に来られる職員はもちろん、ボランティアも派遣したい」と、思いは熱い。
三条本部は、東日本大震災に伴う避難所がある三条市総合福祉センターに開設されており、佐藤事務局長は知り合いとも再会。「避難所にいる人の方が元気みたいで」と顔をほころばせた。
相馬市のボランティアセンターの今野大センター長は「日本全国の社協から資材を送ってもらいましたが、相馬は片付いたのでその資材を使ってほしい」と話していた。
資材を積んだトラックには「鹿島区災害ボランティアセンター」とある張り紙があり、ダッシュボードに「がんばろう南相馬」のミニのぼり旗。トラックが到着したときは、先の記録的豪雨を思いだせるような激しい雨が降ったが、トラックが帰ると雲が切れて日が差し、東の空にひときわ色鮮やかな虹がかかった。