三条市は3日、8月6日に行われる広島平和記念式典に市内すべての9中学校から各1人の生徒計9人を派遣するのを前に市役所で結団式と激励会を行った。
三条市は、平成11年3月2日に旧三条市で非核平和都市宣言を行い、合併後の新三条市となってからの平成18年6月にあらためて平成非核平和都市宣言を行っており、毎年、8月上旬のヒロシマ・ナガサキ原爆写真パネル展、9月ころに順番で市内中学校での被爆体験講話会を開いている。生徒を派遣するのは旧三条市時代の平成15年以来、2回目で、新三条市の平和都市宣言から5年目の節目にということで新三条市になって初めての事業。
午前9時からの結団式と激励会には、各中学校から推薦された派遣生9人と引率の第三中学校峯島美佐子教諭、市総務部職員1人の計11人の派遣団と、国定勇人市長、松永悦男教育長が出席。
派遣生の自己紹介では、「以前から原爆について知りたいと思っていたので、機会を与えてもらいうれしい」、「しっかりと学び、戻ってきたらみなんなに語れるようにしたい」と話していた。
激励の言葉で国定市長は、母親が広島出身で幼稚園と小学校の夏休みはほとんど広島で過ごしており、この8月6日や15日の終戦記念日は子どものときは広島で迎えていた、三条で迎えるのと広島で迎えるのは全く違うと思うと話した。
広島は原爆投下から70年以上たっているが、経験をしたことのない原爆の二世、三世の人たちも自らも体験したかのように、しっかりと後世に伝えなければならないと思っている町。平和に対しての思いは、私たち三条市民が思っているものよりはるかに強いと思う。
そういう広島が持っている思いであったり息遣いであったり、これから先広島がどうやって貢献しようとしているかなど、悲惨な経験を世界に情報発信している。多感な年ごろの生徒たちに、「心とからだでしっかりと体感してもらって、そこで得た感覚を、戻ってからともだちや先生、家族、近所の人に広げていってほしい。私たち人間一人一人は平和を望まない人はいないと思っています。そういう当たり前の気持ちをどうやって世の中全体のものにしていくのか、自問自答しながら有意義な視察をしてほしい」と、話した。
派遣団は、2泊3日の日程で5日朝に新幹線で出発。1日目は平和記念公園で「原爆の子の像」へ9つの中学校で作った千羽鶴を奉納し、原爆ドームを見学。2日目の6日は「広島平和記念式典」に参列、その後、平和記念公園内や袋町小学校平和資料館、旧日本銀行建物などを見学、3日目朝に帰路につく。